ハンナラ党のユ・ギジュン議員が、2005年から韓国政府が白頭山付近の三池淵空港の滑走路の工事のために支援した、25億ウォン相当の建設資材について、北朝鮮が平安北道チョルサン郡のドンチャン里に建設していたミサイル基地に、転用しているのではないかという疑惑を提起した。
ユ議員は4日に開かれた外交・統一・安保分野の対政府質問で、「2005年から南北協力基金で、白頭山の三池淵空港の滑走路工事のために、25億ウォン相当の建設資材が支援されたが、工事には使われなかった」と述べ、このように指摘した。
また、「似た時期である2006年から2008年の間に、北朝鮮がチョルサン郡のドンチャン里に建設していたミサイル基地の衛星写真を比べた結果、主な建設工事が終了したのが見られた」と言い、「ドンチャン里と三池淵空港の距離が遠くなく、失踪した時期が似ているという点から、我々が支援した資材が北朝鮮の軍事施設の建設に転用された可能性があるのではないか」と追及した。
国防部のイ・サンヒ長官はこれに対して、「軍はドンチャン里のミサイル基地について、建設が始まった8年前から80%の工程が仕上がった現在まで、継続して追跡してきている」と述べ、「だがドンチャン里と三池淵は近いわけでもなく、(転用と)連携させることができるだけの諜報もない」と答えた。
イ長官は「ドンチャン里の基地が完成すれば、テポドンの基地より規模が大きなミサイルや衛星発射体を打ち上げることができるだろう」と言い、「現在完工した状態ではないが、その位置の追跡を続けている」と付け足した。
この日の対政府質問では、北朝鮮の急変事態に備えるための、韓国政府の対策を促す与・野党議員の指摘も続いた。
先進と創造の集まりのパク・ソン?搭c員は、「金正日国防委員長の健康異常説で話題になっている、北朝鮮の急変事態の可能性に対応する戦略の樹立は、時代の要請だと考える」と述べ、「ともすれば有事に朝鮮半島が4強の角逐の場に転落する可能性がある危険もある」と憂慮した。
イ長官は「概念計画 5029」の作戦計画への転換の可否に関するパク議員の質問には、「(第40回韓米年例安保協議会では)韓米間の緊密な協力体制を維持しながら、朝鮮半島に影響を及ぼす可能性がある状況に、万全の備えの態勢を整えるという点で共感が見られた」と述べ、「作戦計画は軍事計画であり、保有の可否や内容については言えない」と話した。
ユ・ギジュン議員が「全世界は北朝鮮の核の状況の変化と、金正日体制の変化の可能性に神経を尖らせている」と述べ、「だが金委員長について、最も正確な情報を得て素早く対応しなければならない韓国政府の対応は、まだ非常に不十分」と批判する場面もあった。
統一部のキム・ハジュン長官は、金正日の健康状態に対する情報把握の可否を問うユ議員の相次ぐ質問に、「政府は国民の関心と憂慮をよく分かっているが、事態が敏感であるため注視している。ただ、政府が責務を果たしているという点を理解してほしい」と、答えを回避した。
ハンナラ党のナム・キョンピル議員は、「アメリカのテロ支援国解除をきっかけに、米朝関係の進展が予想されて、オバマ候補が当選した場合、米朝修交まで進展する可能性があるという予測が出ている現時点が、南北関係改善の適期」と主張した。
ナム議員は更に、「クリントン政府時代に米朝関係が行き詰った時、カーター元大統領を特使として派遣して、対話の突破口を開いたように、南北で共に認められている金大中元大統領や朴槿惠元代浮?チ使として派遣しなければならない」と提案した。
ハン・スンス国務総理はこれに対して、「どのような方法でも、南北対話が早期に再開される方がよいと考えている」と述べ、「そのためには韓国の努力も必要だが、北朝鮮の建設的な努力も必要」と答えた。
ハン総理はまた、対北人道支援と関連し、直接支援をするという意思を明らかにした。
更に、「北朝鮮の国民が、韓国政府から届く食糧や人道支援を直接受けとれたらよいと思う」と言い、「WFP(世界食糧計画)を通せば‘間接費’が必要になり、支援の量が減ることになる。北朝鮮が積極的に望むのであれば、第3者を通さずに、直接支援する用意がある」と強調した。
ユ・ミョンファン外交通商部長官は、「アメリカの大統領選挙で民主党のバラク・オバマ候補が当選した場合、韓米同盟の亀裂が憂慮される」というナム議員の指摘に、「オバマ候補も基本的には韓米同盟の強化と6カ国協議を通じた北朝鮮の核問題の進展などに関して、我々と立場を共にしており、韓米間の政策面で、大きな問題はないと考える」と語った。
米朝関係の改善の可否については、「米朝関係の進展が可能になるためには、(核の放棄という)北朝鮮の戦略的な決心が伴わなければならない」と述べ、「更に人権問題などの懸案問題で進展があれば可能だと思う」と付け足した。
