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故金正日氏がクロマグロなどの高級食材やブランデーを好んだことはよく知られているが、わざわざ「特注マヨネーズ」の製造を指示していたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

正日氏の指示によって製造された「最高級特殊マヨネーズ」とは一体なにか?

金一族のための最高級食品を研究する「万青山研究所」

日本でも食卓に欠かせないマヨネーズだが、北朝鮮でも一部の特権階級の間では好まれている。なかでも大都市の富裕層や幹部たちにとって日本製や中国製のマヨネーズは人気商品の一つだ。

しかし、マヨネーズはカロリーも高くコレステロール値も高い。肥満によって健康が悪化していた正日氏は「万青山研究所」にある指示を出した。

「身体に良いマヨネーズを製造しなさい」

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「万青山研究所」とは「万年青春」という言葉に由来し、朝鮮労働党中央傘下の「護衛科学研究所(通称:金正日長寿研究所)」の一機関だ。ここで言う「護衛」とは軍事面ではなく健康面から最高指導者を「決死擁衛」するという意味が込められている。

最高級の食材でマヨネーズを製造せよ!

万青山研究所では早速最高級マヨネーズを製造するための緊急会議が開催された。科学技術通報室長のオ・ミョンソク博士を団長とする研究チームは、日本とイタリアの有名食品加工会社を訪問しマヨネーズについて研究を重ねた。

そして、高級食品を製造することで知られている「龍城特殊工場」で研究チームは、原材料の大豆油の代わりにイタリア製高級オリーブオイルを使用し、さらに高級幹部用の畜産品を製造する「雲谷(ウンゴク)特殊牧場」の卵を使った「特殊マヨネーズ」の製造に成功。

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試供品の「龍城特殊マヨネーズ」を口にした正日氏はその出来映えに大層ご満悦で次のように指示したという。

「龍城特殊食料工場で今後も我が国の原料と独自の技術で、より良い食品を作りなさい」

この時期、北朝鮮は「苦難の行軍」、すなわち大飢饉に見舞われ数百万の民衆が餓死した。親を失ったコチェビ(コチェビ=ストリートチルドレン)たちは、命がけで豆満江を越えて中国で物乞いをしながら生き延びていた。

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しかし、金正日氏は庶民の苦労を顧みず「最高級の龍城マヨネーズ」を楽しんでいたことになる。

食料工場を視察する金正日氏
食料工場を視察する金正日氏。