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アメリカの国務省が6日、世界各国の人権状況に関する2006年版年例報告書を発表し、北朝鮮を“世界で最も孤立して抑圧的な体制”と評価した。

国務省はNGOの報告書とメディアの報道、脱北者の面談記録などを基に作成した報告書で、“北朝鮮国内で非常に深刻な人権侵害が継続して行われている”と述べ、“裁判なしの死刑執行、拉致、政治犯などの恣意的な拘禁などが横行している”と指摘した。

更に、“北朝鮮政府が自国民の生活をすべての面で苛酷に統制するのは勿論、基本的権利を無視している”と強調した。

昨年の報告書と大きく変わった部分はないが、‘極度に劣悪’(extermely poor)という表現から‘極度に’という言葉が抜けて、‘劣悪’(poor)と指摘し、表現が多少緩和されもした。

報告書は去年に引き続き、再び日本人の拉致問題にも言及、北朝鮮が他国の国籍者も拉致しているということを立証する‘信頼するに値する報告’があると述べている。

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この他にも、北朝鮮の労働者たちの権利に関して、海外で働く北朝鮮労働者たちの人権染躪と労働環境についても言及している。外国に派遣された北朝鮮の労働者たちは、北朝鮮政府の厳しい監視を受け、多くの場合、彼らの月給は北朝鮮政府に支給されている。

報告書は北朝鮮以外にもイラン、キューバなど8ヶ国を‘人権弾圧国’と指摘した。国務省の年例人権報告から、主な内容を要約して載せる。

◆ 政治犯収容所 = 北朝鮮国内の強制収容所には現在、15万~20万人にのぼる住民たちが収監されていると推定される。耀徳収容所に収容された脱北者は自分がいた村で栄養失調のため、毎月4~5名ずつ、200~250人が死んだと証言した。

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政治犯収容所内の人権実態は苛酷で、生命に脅威を与えるほどの状態であり、拷問が日常的に行われている。

脱北者らによれば、北朝鮮の監獄や収容所では、政府が強制堕胎と幼児殺害の権限を委任され、恣意的に行われており、甚だしくは中国から強制送還された妻たちは、彼女らの目の前で生まれたばかりの子供が殺害されると証言している。

◆ 処刑制度 = 北朝鮮政府が政治犯収容所の収監者や北朝鮮体制に反対する者、送還された脱北者、スパイ行為が疑われた人々を処刑したという報告がある。北朝鮮政府は特に去年の3月に電気線や通信線を切ったり、不法に麻薬の取り引きをした場合も、処刑対象として追加した。

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北朝鮮では公開処刑が相変らず行われている。去年の9月に、日本のテレビ放送が咸鏡南道地方で‘ユ・プニ’という人に対して公開処刑をする場面を放送した。

◆ 言論の自由 = 北朝鮮には言論、宗教、集会、結社の自由など、自由世界の住民たちが享受する基本権もない。

住民たちは随時、保安チェックを受けており、外国の放送を聞いて摘発された場合、労働教化として5年間服役させるなど、苛酷な処罰を加えている。去る2002年の釜山アジア大会に参加した北朝鮮応援団たちが北朝鮮に帰ってから、韓国で見たことについて話し、摘発されてデフンの収容所に収容されたというメディアの報道もあった。

国内のメディアに対する統制は勿論、外国のメディアに対しても徹底的に統制している。去年の3月に離散家族の再会の取材のために金剛山を訪問した韓国の報道人らが、北朝鮮政府の言論統制に反発して抗議した事件があった。

インターネットの場合、平壌にあるいくつかの高級ホテルに泊る外国人宿泊客や少数の特権層、そして大学生だけが使うことができる。

◆ 宗教の自由 = 北朝鮮では金日成、金正日父子に対する崇拜が実質的な民間信仰として残っている。金正日を最上の権威者として受け入れないことは、国家の利益に反することと見なされ、厳しく処罰される。

◆ 移動の自由 = 北朝鮮政府は国内の移動や海外旅行、移住の自由を許容していない。国内の移動の場合、食糧を求める商売、あるいは事業に限り、制限が多少緩和されているという報道があった。

他の地域への移動が許容されないにもかかわらず、国境の警備隊たちは住民から賄賂を受けて中朝国境を渡ることができるように協力する。2005年には国境を越える住民の数が減少したが、2006年にはまた例年の水準に戻ったという証拠がある。

食糧を捜して国境を越えるという、単純な脱北を行う者は、警告にとどめるなど軽い処罰をするが、常習の越境者や政治的目的で北朝鮮を脱出した人に対しては、厳重に処罰するなど、区分して対応している。

◆ 政治的自由 = 北朝鮮の住民たちには政府を交代させる権利がない。労働党と人民軍、金正日が北朝鮮の政治体系を支配している。選挙権や政治に参加する権利もかなり制限されている。北朝鮮の立法機関である最高人民会議を構成する選挙が5年ごとに開かれているが、自由でも公正でもない。

また、外部の食糧援助が軍隊や政府の役人たちによって専用され、賄賂の行為が続いているという報道から、北朝鮮政府と保安勢力が腐敗していることが分かる。