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北朝鮮内の収容所で生まれ育った申東赫(シン・ドンヒョク)氏が、東京の霞ヶ関にある弁護士会館で、日本の弁護士ら30数名を前に講演を行った。

主催したのは「北朝鮮による拉致・人権侵害に取り組む法律家の会」。

申氏はインターネットの航空写真を使いながら、収容所内の施設、自身が通った学校や母親と過ごした家、公開処刑の場所などを解説した。

次に司会者の須田洋平(すだ・ようへい)弁護士からの問いに答える形式で、申氏は収容所での表彰結婚のシステムや公開処刑等、収容所の生活を説明した。「収容所では何を生き甲斐にしていたのか」という質問には、「生き甲斐という考え自体生じなかった」と答えた。また、「収容所の学校の算数はどのような内容を学ぶのか」という質問に対する、「足し算と引き算だけしか学ばなかった。今、韓国でかけ算を勉強しているがいまだにうまくいかない」という申氏の回答に、参加者たちは耳を傾けた。

会場からは「日本がこの問題について果たすべき役割についてどう考えるか」という質問もあった。申氏は「脱北後、人権は普遍的に守られるべきものだと学んだ。日本政府は北朝鮮の人権状況についてもっと声を上げてほしい。また、日本の皆さんも今日聞いたことをそれだけで終わらせず、北朝鮮の人権状況を改善しなければならない、一人でも多くの人を救わなければならないということを、各自の持ち場で伝えて広めていってほしい」と語った。

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また、「垂ウんの夢は何ですか」との問いに申氏は、「最初は収容所で殴られたり蹴られたりしたので、その反対の立場になりたい、警察官になりたいと思っていた。しかし、今は北朝鮮が民主化されるまで、人権運動家として自分の役割を果たすべきだと思っている」と語った。

最後に、土田庄一(つちだ・しょういち)弁護士が「この問題をさらに深めていきたいと思う。思いを深く受け止め、努力していきたい」と述べ、木村弁護士は挨拶で、「収容所に対してこれまで思想統制のためのものというイメージを持っていたが、申氏の講演から、経済そのものを支えるために人間という脳を持った生き物を、生産のために使っているものだと感じた。このひどい事実を世の中に広めていってほしいという申氏の声に答えていきたい」と話した。