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北朝鮮でも日本と同様に、12月31日深夜から翌午前0時を迎えるのに合わせて、「除夜の鐘」が鳴らされる。打ち鳴らされるのは、平壌市・大同門の北にある「平壌鐘閣」の「平壌鐘」だ。高さ3.1メートル、直径1.6メートル、重さ12.914トンに達するもので、別名「エミレの鐘」ともいう。

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除夜の鐘として鳴らされる「平壌鐘」(「わが民族同士」より)

除夜の鐘が鳴らされる際には、恋人同士をはじめ、多くの平壌市民が出かけてきてイベントを楽しむ。地方に住む人々は、テレビの放送を介して鐘の音を聞く。停電ばかりの北朝鮮でも、このときばかりは電力を余計に供給しようと、当局が頑張るのである。

日本では108回鳴らされる除夜の鐘だが、韓国では33回だ。これは仏教の解釈の違いによるものだが、北朝鮮はさらに少なく12回だ。こちらには大した理由はなく、「12時ちょうど」に新年を迎えるから、という程度の意味合いに過ぎない。

エミレの鐘が鳴らされる頃、平壌では「迎春公演」が行われる。英才教育施設「万景台学生少年宮殿」に通う、音楽や舞踊に秀でた少年少女らの1年間の集大成のようなもので、1958年に始まり、故金日成主席が毎回観覧した。

2014年の初めに韓国入りした脱北女性のキム・ウンギョン(仮名)さんは、迎春公演の出演経験がある。「公演の準備は6ヶ月前に始まり、毎夜遅くまで鼻血が出るほど練習しました。当時はツライと思う余裕さえありません。金日成や金正日と会えるというだけで、家族にとってたいへんな栄光だと考えていた」と話す。

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金日成主席は生前、子供たちの歌や踊りを観るのをたいへん好み、この公演で子供たちから新年のあいさつを受けるのが恒例だった。彼と金正日総書記が死去した後も、迎春公演は続けられている。