- 1990年代の食糧難の時、特に知識人がたくさん死んだと聞いたが…
1990年代半ばの食糧難の時に急に混乱したのは、生活の方法が配給制から自給自足に変わったからだ。これに適応することができなかった人がたくさん死んだ。また、党が‘少し待てば配給が出る’と言うから、この言葉を信じてたくさん死んだのだ。
当時、なかなか適応することができなかった人たちが‘3ビ’だった。コチェビ(浮浪児)、チョンジェビ(若い女性)、ソンr(知識人)だ。この人たちはお金を稼ぐことができない階層だった。
特に、ソンrたちが変化した環境に適応できず、大勢の人が亡くなった。両親が死に、コチェビがあふれ、行くところがない彼らの多くが死んだ。また、女性は生活力があり品格を売ってでも生きのびたが、若い女性は恥ずかしくてそれもできず、食べて生きるすべがなかった。それでも最後は性を売ったが、これもいたるところでするので、食糧を十分に手に入れることができなくなった。
私たちの共産大学にも義勇軍として来た韓国出身の教授が2人いたが、故郷がポリョンの人と江原道の人だった。故郷をとても懐かしがっていたが、故郷に行きたいと言えば反動になるから言えなかった。配給が途絶えて自給自足で生きて行きなさいと言われたが、この人たちは本しか知らない人だったので遂に飢え死にした。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面当時のあいさつの言葉は‘お食事はなさいましたか?’だった。みんな飢えて顔が黄色くなり、それでも若い学者たちは何でもしたが、年配の学者はしょうがなかった。
中央党の書記局の人や博士、記者たちも2~3級対象者たち、また試験を受けて上級医者になれば65供給所で一般の人たちにはくれない食品や商品をもらえる。そのようにこの人たちを待偶することはした。
- 北朝鮮の大学の総長と党の書記には、どのような差があるか?
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面金日成総合大学の総長は多少特殊な地位で、中央大(機械大、建設大、咸興修理大、南浦船舶工業大など特定の分野の大学。北朝鮮には1つずつしかない)の総長は党の幹部級だ。
幹部に対する規定は党の書記局で行うが、中央党の書記局がするのか、道の党書記局でするのかによって職級が異なる。中央大学の総長は、中央党書記局の批准の対象だ。高い地位だ。総長は最高人民委員会の代議員になることもできる。
だが、総長も実際は党の幹部に比べたらずっとおとる。党の幹部の方が賃金も多く力もあり、賃金も総長がもらう10ウォンは党の幹部の1ウォンと同じだ。党幹部の待遇とは数諸{差がある。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面- 北朝鮮の住民は金正日以後、北朝鮮がどうなることを願っているか?
北朝鮮の住民は、最低限食べる問題を解決し、飢えを忘れて暮らせればよいと思う。その次に自由に暮らしたいということだ。
北朝鮮の住民は中国より韓国の方がよい暮らしができるということを今は知っている。以前はただ中国だけを見ていたが、今は密輸で韓国の映画やドラマ、アルバムなど韓国のものが入って行き、韓国のことも知るようになった。韓国のものを通じて自由がよいということが分かるようになった。
中国は自由と言うが、ある程度制限があるということも知っている。中国ではよい暮らしができるが、保衛部がいて共産党が握っているということは知っている。けれども、中国のようになったらどれだけよいだろうか。
- キム代表は、個人的には金正日以後北朝鮮がどうなればよいと思っているか?
私の個人的な考えでは、南北がすぐに統一するよりは韓国や国際社会の支援を通じて、北朝鮮が一定期間経済の主体として存在して、また住民の生活がある程度よくなり、国際的な価値観で住民たちの意識がある程度養われた時に統一した方がよいと思う。
国際社会の一般的な価値が、北朝鮮の住民にある程度受け入れられた時、統一に対する主体になった時、統一しなくてはいけない。一方がもう一方を食べ尽くそうとしたら反発はとても大きいだろう。ゲリラが現れるかも知れない。
ある程度の水準の自由を味わってから、‘(韓国式や国際基準の)こうした制度なら大丈夫だ’と住民たちが受け入れなければならない。ここ(韓国)の人たちの意識、価値、倫理など市民意識が北に根付いて生活できる時、統一も可能だろう。
- 20世紀に共産主義ももう滅びたし、北朝鮮も滅びた。その根本的な原因はどこにあると判断しているか?
共産主義の理念そのものは虹のような空想だと言える。私ももし共産主義社会ができればそのようになったらよいと思う。
けれども、共産主義が成功できなかったのは人間の本性の要求に合わないからだ。人は極めて個人的で自由を望むのに、共産主義の理論は人に非常に理性的に接近している。‘能力に合わせて働いて、必要に応じて分配を受ける社会’と言うが、人間は果たしてそうだろうか。共産主義は人を非常に理性的な人間と仮定した空想だと思う。だから共産主義の実践は難しいなと、両方の社会で生きて見て感じた。
北朝鮮ではすべての人間を主体の形に改造しなければならないと言う。それはひたすら党と首領、祖国のために黙々と働いて殉職する人を指称するのだ。それではだめだ。北でいくら洗脳教育をして政治学習をさせても、人の本性は死なないで生きている。だから北朝鮮政府が生活総和と思想総和を継続して突き付けるのだ。
人間の本性を認めて、人間の本性を一番効率的に調和させながら、みんな平等になるのは無理だが、最大限公平を追求する社会は必要だろう。
- NK知識人連帯が‘知識人’という表現を使い、他の脱北者たちに違和感を与えるかもしれないという指摘があるが…。
私たちNK知識人連帯は、他の団体と学術的な協力、行動面での協力を望んでいる。NK知識人連帯と言い、脱北者1万5千人のうち大学を卒業した人たちなので、一般の人と区別される特殊な人という事実だけ強調されて、そのため誤解される側面はある。
だが、私たちの目的はそうではない。私たちができる活動の性格は‘知識を使って、すなわち知識を手段にして活動する団体’にすぎない。知識人というが何か特別な人ではない。だが、誤解もあり得るから名称の問題をめぐり長い間議論した。そうして、団体の性格は‘知識を持って社会参加に備える’という点で意見が一致した。
今は開始の段階なので、各自の役割分担とやるべきことのため、会員資格に条件を付けたが、これから団体の基盤ができれば資格の条件を無くして一般会員に完全に拡大する予定。
脱北者には韓国まで来るようになった境遇という共通点と、過去の経験に対する共通点がある。‘知識人連帯’は絶対に脱北者社会を区切って違和感を与えようというものではない。私たちみんなが統一した生活を共有するため、私たちの知識を手段として活用しようということだ。今後、私たちの活動を通じて脱北者社会にこうした私たちの意志が伝わるように努力して行く。必ずしなければならないことだ。
- 脱北者社会が多くの団体に分化されるのではないかと心配する人が多いが。
黄長ヨプ先生も、脱北者たちが思想的、組織的に統一して団結しなければならないと話しながら心配なさった。黄先生は脱北者が互いに互いを悟らせてあげ、学ばなければならないとおっしゃった。脱北者団体が多いと不協和音が出るのも事実だ。
だが、私たちは団体が一緒に連帯してこそもっと発展することができると考えている。‘北朝鮮民主化委員会’ の中に北朝鮮戦略フォーラムがあるが、今後学術研究と協力を通じて、共に進んでいくことができると思っている。組職の運営も排他的にならないようにしたい。
- 最後に、NK知識人連帯の長期的な目標を教えてほしい。
まず、このように行動するが、これから団体の活動は一層拡大するだろう。
朴正煕大統領の業績の中で、大きいものがKDI(韓国開発研究院)を作ったことだと思う。私たちもこれに似た‘NKDI’を夢見ている。金正日以後の北朝鮮の社会をどのように発展させていくのかというビジョンを、韓国の発展の姿から模索したい。大きな絵を描いて1つずつ詳細な計画を作って行きたい。
‘漢江の奇跡’を成し遂げた南側社会を全面的に分析するつもりだ。その後、北朝鮮で受け入れる部分、ある程度取り入れる部分、捨てなければならない部分が何なのかを分析する。
一番の問題は、私たちが学術活動だけを通じていてはいけないということだ。韓国社会のシステムを早く学ぶには、この社会に入って行かなければならないと思う。将来の統一のために、北朝鮮を発展した韓国式に改造するには、脱北者に韓国社会の先進的なことと効率性が高い機狽?wぶことができる機会を与えなければならない。そうしてこそ、金正日以後のNKDIの内容を記した政策を北に提案することができる。
脱北者たちに機会を与えなければならない。韓国の‘北朝鮮離脱住民定着及び支援に関する法律’でも、脱北者を特別採用することになっている。北朝鮮で専門分野に従事していた人たちが、韓国の同じような分野で働けるようにしなければならない。インターンから始めてもよい。脱北者にとっては、学ぶことができる機会が何よりも大切だ。(終)