人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮政府が昨年末から北部国境一帯で各種の検閲と取り締まりを強化しているが、この地域の民心がどのように変わっているのか気になる。

北朝鮮政府は国境一帯に外部の情報の流入が多く、不法越境者たちが増加しており、頭を抱えている。これによって脱北者たちに対する処罰と合同グループ(検閲団)の検閲が強化されてきた。昨年末、金正日は”お母様(金正淑)の故郷、会寧をきれいにせよ”という特別な指示を下したほどだった。

しかし最近、この地域から越境した脱北者たちは、政府の検閲と取り締まりにもかかわらず、住民たちの民心はもう以前とは違うと語った。

彼らは生計型の脱北が増加し、中国で物品を購入して商売をしようとする人々が一層増加しており、中国との接触は増える一方だという。

また、食糧問題を巡って、住民たちの党と軍に対する認識が更に悪化し、特に幹部らの不正腐敗がひどく、住民たちの労働意欲が低下していると口をそろえて言う。このため、商売をしようとする住民がずっと増加しているというのだ。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

デイリーNKは最近、北朝鮮の会寧と清津地域から脱北して中国で隠れている脱北者4人とのインタビューを実施した。 最近の北朝鮮北部地域の民心を聞いた。

- 党と軍隊に対する最近の住民の認識はどうなのか?

北朝鮮政府は核兵器の開発に成功したと言い、共和国に忠誠であることを要求する。しかし、住民は核兵器に関心がない。ひたすら生計を立てることにだけ沒頭する。食糧を適時に配給してくれず、民心は最悪だ。特に、軍人たちの食糧の掠奪がひどく、軍隊に対する認識が一番良くない。 軍人らは北朝鮮の住民が植えておいたとうもろこしやその他の作物を夜、密かに盗む。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

このため住民は、9月になると収穫期ではないのに、とうもろこしや実を全部集めて行く。軍人らは食糧を奪いながら、“人民の軍隊が必要とするのに、住民が与えようとしない”とむしろ考える。そのため住民たちは、“戦争が起きて我々に鉄砲が与えられれば、まず軍人たちを殺してアメリカと戦う”と言うほどだ。

個人が耕作する小土地の場合、収穫高が多ければ軍隊と政府が持って行くため、農業を最初から行わない人もいる。 熱心に働いても自分の利益がないため、仕事をしないという人々が増えている。

- 党と軍幹部たちの不正腐敗はどの程度か?

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

幹部たちの不正腐敗は甚大だ。北朝鮮では賄賂があればできないことがない。もう随分続いている状況だ。商売をしてもお金を捧げなければならない。商売をしようとすれば、軍人と安全員などに賄賂を与えなければならない。

会寧地域の電気線は一番太い線が1ヶ所(配電所)に行った後、次々に電気が分配されるが、一番不足している地域にまず供給してくれる。だが、幹部らはそこから電気を引き抜いて、自宅に連結して使いたいだけ電気を使う。

ある保衛部の幹部は、会寧地域の高価な家を(北朝鮮貨幤)500万ウォン以上で購入した。これだけ高い家がたびたび取り引きされることが知られている。また、暮らしのよい家には中国製ではない日本製または韓国製の発電機をおいて電気を使いもする。

- 住民たちはどう暮らしているか?

多くの北朝鮮の住民が商売をしている。商売をすれば食事はできる。商売は電話を利用する。商売する人が中国側の貿易業者に連絡して必要な物品を頼む。すると業者は国境地域の橋などを通じて密かに送ってくれる。商売をする人々は大部分密輸をしている。

商売は個人が建物を借りて商業管理所の許可を受けなければならない。建物は国家の所有だから使用料を支払う。建物は個人の所有ではないが、品物は個人の所有として認めるから、売買することができる。

個人が大きな過ちをやらかさない以上、建物を奪ったり、売台(商店で品物を置いて売る席)を押収することはない。清津の場合、海産物の商売が有利だが、水産物店をするためには、大きな冷蔵庫がなければならないから容易ではない。

- このごろ主にどのような情報が北朝鮮に流入しているのか?

中国に対する情報だけではなく韓国、アメリカに対する話を聞くことができる。中国へ行けば飢えないという話を一番多く聞き、韓国へ行けばよい暮らしができるという話も聞く。資本主義社会の情報が満載のVCRが流入し、ビデオも沢山見ている。こうした情報から考えが変わる人々が多い。

政府が処罰を強化して集中的に取り締まっているが、暮らすために北朝鮮を脱出する人々を阻むことはできない。

- 国境地域の住民は中国と往来をよくするのか?

最近政府が‘海外親戚文件’更新作業をして、中国に親戚がいる人々の場合、中国への訪問が容易になった。咸鏡道は 1月の初めから住民たちの‘海外親戚関係文件’を更新して 2月10日付で締め切った。

各地域の保衛部の外事課で、過去の文件を廃棄して、中国に親戚がいる人々を新たに調査し、新しい様式の用紙に記入するやり方で行われた。

今まで使った‘海外親戚関係文件’は苦難の行軍(食糧難時期)以後、一度も用紙が入れ替えられなかった。以前は中国に親戚がいる40代以下の人々は、国家安保を理由に文件に親戚を記載せず、公平性の問題が主張されていた。

今回の更新を通じて、この間許可されていなかった40代未満の住民も、中国の親戚訪問の機会がより多くなると思われる。中国に脱北した経験がある住民の場合、中国で付き合った人々の住所と身上の記録を持って保衛部にやって来て、新しく親戚として登録しようとする人々もいる。

- 住民たちは中国に対してどう思っているか?

一般的に中国は約束をよく守る国だと思っている。日本の場合は無条件嫌って、北朝鮮の教科書でもそのように教える。中国と北朝鮮の政治方式は非常に違う。政府はこの間、我々(北朝鮮)の政治方式が優越していると宣伝してきた。しかし、中国と貿易をしながら、それが純然とした嘘であるということが分かるようになった。

中国で聞くことは偽りがない。中国と貿易をする人だけではなく、住民たちも中国に対して多くのことを聞き、中国への幻想が高まった。

- 米の値段はどうか?

2月の初めから’外国から援助食糧がまた入って来る’といううわさが平壌から広まり、清津以南の地域の米代が下がっている。2月8日、咸鏡道会寧、茂山、穏城などでは、米1キロ当たり北朝鮮貨幣で900ウォン〜950ウォンの水準で取り引きされ、咸鏡道清津は900ウォンだ。

平壌の米代は650ウォン。黄海道と平安南道、咸鏡南道の南部地域は700ウォン代を維持している。去年の10月の核実験から12月にかけて、市場の安い価格が上昇した。当時、住民の間では’米1キロ2,000ウォンの時代が来るだろう’という憂慮もあったが、1月末から米代が安定した。

- 伝染病が北朝鮮全域で拡散しているというが?

1月に清津地域ではしかが流行っているといううわさを聞き、オンドク地域でも同様のうわさを聞いた。よく分からないが、伝染病が拡散しているようだ。伝染病のため、国境地域の都市や平壌まで行くのは容易ではない。通行証を発給してくれず、検問も沢山行っている。