北朝鮮の人々にとって「イカ」は重要な食糧資源である。しかし、最近では、中国の二艘引き底引き網漁船が日本海側に押し寄せてきて庶民の生活が大きな打撃を受けている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)のデイリーNK内部情報筋は、その状況を次のように伝える。

「イカを輸出して得た金が東海岸全域の住民の一年分の食糧となるのだが、今年は状況が違う。イカの漁期が始まるやいなや、数十隻の中国漁船がやって来て底引き網を使うものだから水揚げが半分に減ってしまった」

「最新鋭の設備を備えた中国の漁船が東海岸の沖我が物顔で漁をしている。こうなったのも2000年代半ばに金正日が中国の張蔚華の孫の張金泉の会社にイカ漁の許可を出したからだ」

中国の抗日運動家だった張蔚華は1930年代初めに金日成を助けたことがきっかけで戦友となった。その関係を重視した金正日は張蔚華の孫の張金泉に東海岸での操業許可を出した。

「前は近海でイカ漁ができたが、今では中国漁船よりさらに沖に行かなければならない。漁場までは7~8時間かかるがその燃料費が出せない、さらに遭難事故にあう恐れも大きい。実際、毎年300人以上の漁師が遭難して死んでいる」

「取ったイカのすべてを中国に売って米を買っていたが、中国漁船がイカ漁をやるようになった今では米を買えなくなってしまった。1キロで10000ウォン以上だった輸出用の干しイカが、今ではその半額で市場で売られている」

「国は東海(日本海)まで中国に売り払うのか。金正日一人の過ちで罪もない人々が苦しんでいる」

先月、10隻の中国漁船が悪天候を避けて韓国南部の鬱陵島近海まで南下したことがあったが、韓国のイカ漁獲量が昨年の27万トンから今年は17万トンに減ったことも北朝鮮沿岸での中国漁船の漁と無関係ではないと報道されている。

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