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韓国では企業が利潤を追求する過程で、海外の販売路を開拓して輸出し、外貨を獲得する。ほとんどの国がそうである。国家は外貨の流動性の問題だけに関与すればよい。

だが、北朝鮮は違う。北朝鮮の‘外貨稼ぎ’は金正日の指示の下で行われ、そのようにして獲得した外貨は、ほとんどが朝鮮労働党の金正日機密費管理部署に入って行く。したがって、正常な国と異なり、朝鮮労働党は外貨獲得のためには違法な行為もはばからない。

北朝鮮の外貨稼ぎは内閣の貿易省と朝鮮労働党‘38号室’、‘39号室’が担当していると言われている。脱北者たちは、国家の公式の部署と言える貿易省が担当している外貨稼ぎはわずかだと指摘している。北朝鮮で‘粒ぞろい’と言われる外貨稼ぎ企業は、ほとんど労働党が直接統制している。

注目すべき点は、労働党の38号室と39号室の外貨稼ぎ事業は金正日が直接決済して、党や内閣、その他のどの国家機関も手を出すことができない聖域と考えられているという点だ。

黄長ヨプ元朝鮮労働党書記は、“党の経済と軍隊の経済には、政府が干渉することができず、それはただ金正日の意思によって彼の経済(38号室、39号室の外貨稼ぎ)と一緒に管理されている”と言い、“封建社会に例えたら、北朝鮮では党の経済と軍隊の経済は、王様が直轄する王室の私産と似ている”と指摘した。

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38号室には松茸などを独占して、対日貿易を通じて外貨を稼いだという前歴がある。また、ホテルや外貨商店、食堂などを運営して外貨を稼ぐことも38号室の仕事である。

1970年代にできた39号室は、デメ_ン貿易とデメ_ン銀行などが属しているデメ_ン総局を直轄している。39号室は傘下の120以上の貿易会社を通じて資金を稼いでいる。北朝鮮の金鉱で年間約12万トンの純度が高い金を生産して、海外に密輸出して外貨を獲得する。金の(密)輸出は主にマカオにある粗鉱貿易商社が処理する。

金の密輸程度は愛嬌として見てくれるという。アメリカのCIAは北朝鮮産麻薬の密売や‘スーパーノート’と呼ばれる北朝鮮産の偽造ドルは、39号室の作品だと指目している。アメリカ議会調査局(CRS)の報告によると、30年以上に渡って北朝鮮は凵_責特権が付与された外交官を活用して、ヘロインやコカイン、ヒロポン、阿片などを密売し、15ヶ国で最低35回以上は麻薬の密売にかかわっていたという。

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これ以外にも、北朝鮮が海外に売る‘偽造タバコ’にも39号室が関与している。また、39号室は武器の輸出にも関与していると言われている。北朝鮮の在外公館が‘偉大な将軍様への忠誠資金’という名目で北朝鮮に送金する外貨も、39号室が管理する。

つまり、北朝鮮が公式・非公式に海外に売ってドルを作ることができるほとんどすべての品目を、38号室と39号室が独占して管理しているということだ。

ドルは労働党傘下の機関で稼ぐが、支出は全て金正日が直接‘批准’する。懸念される点は、この外貨が大量殺傷武器の開発や対南工作費用として出費され、残りは金正日の統治資金と機密費になっているという点だ。

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海外の各地で金正日のために買い集められる贅沢品、いわゆる‘1号物資’の購入のためにも使われる。

2005年9月に話題になった、バンコ・デルタ・アジア(BDA)に凍結された北朝鮮の資金が、労働党の39号室が違法に稼いで管理していた金正日の統治資金だと言われている。

これについて、国家安保戦略研究所のチョン・クァンミン研究委員は、“北朝鮮は‘党の経済’を通じて、違法な経済活動を広く行ってきた”と述べ、“特に‘BDAの制裁’以前は、違法な経済活動がもっと多かっただろう”と指摘した。

チョン研究委員はまた、“北朝鮮は‘BDA 制裁’以後、非公式の部門で相当な打撃を受けただろう”と言い、“これ以上、国際舞台で違法な経済活動をすることは困難だと感じたはず”と付け足した。