北朝鮮は、金正日氏三周忌を一ヶ月後に控えているが、思想統制と住民統制が強まっているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は17日、「朝鮮労働党の党中央委員から、すべての党員と労働者に、金正日主義の学習を強化するための特別な指示が通達された。国家機関や企業所の労働者だけでなく、学生や主婦まで毎日『金正日の指導業績』の学習を進めている」と伝えた。

「1週間に1度だった従来の学習と異なり、毎日、集中的な研究と映画文献の学習からはじまって録音講演が交互に行われる。午後には、制定された学習問題をめぐり、組織(党、青年同盟、朝鮮職業総同盟、朝鮮民主女性同盟)別に問答式の学習コンテストが相次いで行われて合格したら退社できる」(情報筋)

「金正日氏の青年時代のように学ぼう」と「金正日氏の先軍革命」などの労作と文献の学習が基本的に行われるが、住民は一人残らず該当地域の「革命歴史研究室」に集まらなければならない。学習と講演に出席できなかった場合、呼び出されて個別指導を受けなければならない。また、仕事の後には、学習課題として選定された金正日氏の労作と文献を必ず研究抜粋しなければならない。このため、学習と講演の準備のため「徹夜」することもあるとのことだ。

情報筋は、「金正日追悼期間と関連して、労働者たちは皆勤で、100%出勤せねばならない。住民の移動も制限され、旅行証は発給されない」と統制が強まっている現地の雰囲気を伝えてきた。

北朝鮮では、住民の忠誠心を高めるため、金日成氏、金正日氏の誕生日や命日に合わせて毎年様々な学習や講演などを行っている。

しかし、今年のように1ヶ月前から集中的な研究を進めて、さらに旅行証明書発給まで制限するのは極めて異例だと情報筋は語る。

「(金日成氏)の十周忌でも1ヶ月前からの講演、学習はなかった。政治的に指導力が不足している金正恩氏が、三周忌に合わせて金正日氏の革命業績を浮上させ「白頭の血統」の正統性を強調して体制固めを目論んでいるようだ」(情報筋)

住民のなかには、「三周忌さえ、ちゃんとすればいいだろう。なぜ1ヶ月前から、こんな講演をするのか理解できない」と不満の声もあると情報筋は伝える。

北朝鮮当局が思想統制を強める動きは、両江道の内部情報筋からも確認出来た。

「金正日氏の三周忌を大々的に進めるために、内部の措置があった。すでに講演会が開始され、行事当日は、各組織の参加者に漏れがないように流動人口対策を練るようにとの指示も降りてきた」(両江道の情報筋)