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[国境の風景] 静かで特別な兆しはなく、中朝貿易業務も正常

北朝鮮民主化ネットワークが見た国境地域の様子は、普段と変わらず平穏だった。中国の丹東市の税関では、いつものように品物を積んだトラックが忙しく走っていた。丹東で数年間宣教活動をしている宣教師は、“丹東の税関の風景だけを見たら、普段と全く同じだ”と言った。北朝鮮の新義州と中国の丹東をつなぐ‘中朝友誼橋’の近くで遊覧船に乗り、新義州に近付いてみた。チュメ_ク(旧盆)を迎えて遊びに来た北朝鮮の住民と国境警備隊員たちが手を振り、普段と違う様子はみられなかった。遊覧船のガイドをしている中国人の柳さんは、“私たちも新聞で、金正日が病気ということと、中国人の医師が朝鮮(北朝鮮)に行ったということを知っている”と言い、“毎日数潤_回観光客を乗せて新義州の前を通るが、住民の態度からは普段と異なる変わった点は見られない”と話した。

延辺の朝鮮族自治州の図們とサンホ(三合)の税関でも、普段と異なる様子は見られなかった。三合の税関は丹東のように交易量が多くはないが、今も1日2~3回、北朝鮮のトラックが品物を積んで中国に渡って来るなど、中国との貿易は正常に行われているようだった。三合の税関に勤める朝鮮族の公務員は、“ここにいる人の多くが韓国のテレビを見て金正日が病気になったことを知っているが、北朝鮮側の貿易業者からは何の話も聞いていない”と述べ、“そうした事実を全く知らないのか、知っていても敢えて話さないのか分からない”と話した。

[インタビュー-1] “北朝鮮に変なうわさが広まれば華僑から疑われる”

北朝鮮国籍の華僑の貿易業者王さん : 12日に丹東の税関付近の食堂で会った、北朝鮮国籍の華僑貿易業者の王さんは、“今ここで商売をする人たちの間では、金正日の話だけが聞かれる。みんな、今回うわさが広まれば、また華僑に火の粉が飛ぶのではないかと心配しているようだ”と語った。王さんは“商売をしていると、どうしても朝鮮の情勢に関心を持たざるを得ない。朝鮮では政治的に重要なことが起きれば、まず人や品物の移動を阻んで国境の貿易が統制されるからだ”と言い、“2006年にミサイルをうって核実験をした時も、戦争の準備をしなければならないと言って商売と貿易をすべて統制した”と説明した。また、“最近は市場に変なうわさが広まれば、いつも私たち(華僑の貿易業者)が真っ先に疑われる”と愚痴をこぼし、‘金正日病床説’が中朝交易と華僑の貿易業者にどのような影響を及ぼすのか、敏感になっていると話した。王さんは一方で、“私が出て来る前は、市場で何のうわさもなかったので、おそらく住民も金正日が病気だということを知らないのだろう”と言い、“金正日について誤ったうわさが広まり、また中国との貿易が統制されるのではないかと非常に心配している”と話した。実際に、北朝鮮の国内では多くの華僑が中朝貿易業に携わっており、この人たちは頻繁に中国に行き来して外部の情報に接するため、外部の消息が北朝鮮に流れる‘情報メッセンジャー’の役割を果たしている。最近では、華僑と取り引きをする北朝鮮の商人の方がむしろ、‘今回は何か特別なうわさや面白い話がなかったか’と聞いて来るという。

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[インタビュー-2] “最近、韓国のラジオを聞く人が多く、うわさもすぐに広まる”

キム・ムンチョル(仮名,45,平南スンチョン)氏: 今年初めに親戚訪問のために中国に来たキム・ムンチョル氏が13日のインタビューで、“韓国のテレビで‘金正日重病説’を知っている”と言い、“けれども私の考えでは南側に事実の過ちがあるようだ。うわさも、随分でたらめと思われることが多くて、そのまま信じることはできない”という反応を見せた。キム氏は“‘金正日はもう死んだ’という話もあったが、そんなでたらめな話がどこにあるのだろうか。最高指導者が死んだことも知らないほど、私たちが鈍いとでも言うのか?”と問い返した。一方キム氏は、“事実ではないとしても、南側ではずっとそのような(金正日重病説)話が出ているし、最近は韓国のラジオを聞く人が多いので、うわさもすぐに広まる可煤_性がある”と語った。ラジオで情報を聞いても、むやみに話すことはできないのではないのかという質問には、“以前は南側の放送で聞いた話を他の人に話したら、‘どこでそんな話を聞いたのか’と追及されて、問答無用で捕まる可煤_性があるため、むやみに話ができなかった”と言い、“だが最近は‘私が中国で商売をしている人に聞いたのだが…’とか、‘市場でみんなそう話している’と言えば、あまり問題にならない”と説明した。キム氏は“もちろん、将軍様の脳に病気ができて手術まで受けたという話は、一般の住民はむやみにしにくい内容だ。うっかりこうした話をして、‘誰も知らないうちに’消えることがある”と憂慮しつつも、“私も事実を知りたいので、朝鮮に帰ったら何とか確認してみたい。みんながそうだろうから、どうしてもうわさが立つ”と話した。