北朝鮮当局が昨年末から国境地域住民を対象に送金と電話通話などの厳しい取り締まりに乗り出したのに続き、最近は住民統制機関の取り締まりを実施していると伝えられた。

保安局の不正を大々的に取り締まる

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は次のように伝える。

「先月末の中央からの取り締まりが入り、現在、両江道全域で取り締まり対象に上がった保安員たちが、道保安局に召喚された」

「恵山(へサン)市だけでも数十人の保安員が調査を受けている」と伝えた。

「(恵山市の東にある)白岩(ペガム)郡、大紅湍(テホンダン)郡、普天(ポチョン)郡なども取り締まり対象となり、召喚された保安員がいる」

「取り締まりの期間はわからないが『不正を根絶やしにすべき』という雰囲気が広がっている」

「今回の取り締まりは主に韓国との通話、送金、密輸に保安員が同調や手助けしたことに関するもの」

「保安員が監視対象としている住民の脱北有無についても徹底調査している。」

保安員も庶民も戦々恐々

消息筋は、続けて保安員や庶民の反応を次のように伝える。

「連日の厳しい調査に保安員たちは不安を感じている」

「優秀な保安員は取り締まりを見逃す代わりに賄賂を受け取っていたので、保安局も頭を抱えている」

「今回の取り締まりへの庶民の反応はよくない」

「今回の取り締まりは保安員のみが対象だとは言うが、保安員に賄賂を渡して取り締まりを逃れたことのある一般住民も問題にならないか不安がっている」

「脱北者の家族への送金、電話連絡を助けた住民がとばっちりを食らうおそれもあり緊張感が漂っている」

「住民は『保安員のほとんどが賄賂を受け取っていたので、受け取っていない人だけ調査したらすぐ終わる、保安局の幹部も皆賄賂をもらっているはず』と言って取り締まりを非難している」

「『庶民を責め立てるのに飽き足りず、今度は自分たちが大げんかをしている形だ、今回の取り締まりで意地の悪い保安員は処罰されたらいい』と非難する人もいる」

オヤジのやり方よりひどい

「政策への不満が金正恩への非難につながっている」

「取り締まりを頻繁にやるということは、それだけ国の中が腐っていることだ」

「住民には違法だからとやらせないくせして、裏では自分たち(保安員)が大々的にやっているのを見ると法が完全に腐ってしまっていることがわかる」

「言葉の多くの住民は『今回の取り締まりでも賄賂工作が行われれば終わる』と非難している」 金正恩が政権について以降、国境地域での取り締まりが頻繁に行われるようになり、庶民は「オヤジ(金正日)よりもひどい」と口々に語っているとのことだ。

北朝鮮は今年初め、刑法60条「国家転覆陰謀罪」に▲韓国など外国との違法通話▲DVDなど韓流ドラマ視聴、ラジオ聴取▲麻薬使用と密売▲密輸による人身売買と売春▲脱北幇助と国家機密漏洩など5つの項目を追加した。

刑法を改正してまで北朝鮮当局が国境地域の大々的な取り締まりを進めていることは、それだけ北朝鮮の体制が不安定であることを意味すると消息筋は分析した。