最近、北朝鮮は「豊漁」を喧伝しているが、なぜ市場価格は上がる奇妙な現象が起こっている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は現地の状況を次のように伝えてきた。 「魚が大漁だったら値段が下がってもいいはずなのにむしろ上がっている」

「夏に5000ウォンだったスケトウダラ1匹が冬に入って8000ウォンまで上がり、庶民の手には届かなくなった」

「漁に出られるのは軍所属の水産事業所と平壌への水産物供給を担当している平壌市労働党所属の事業所ぐらいだ」

魚は豊富なのに市場での魚の値段が上がるのは、軍所属の外貨稼ぎ事業所が捕った魚のほとんどが中国に輸出されるためだ。冷凍魚が出まわることもあるが、それすらも高いとのことだ。

ディーゼル燃料や漁具の値段高騰も魚の価格上昇に影響を及ぼしている。良質のディーゼル燃料は高価なので小型漁船は主に「不正ディーゼル油」を使用するが、それでも1キロ8000〜10000ウォン、ハタハタ漁用の刺し網(30m)に至っては数十万ウォンもするとのことだ。

それで一般の漁船は漁の時期になっても燃料や漁具を買えずに漁に出られずにいる。それらをなんとか確保した漁船でも近海でハタハタ漁とカニ漁をするのがやっとだ。

メディアで流される「大漁」のニュースに接した住民たちはこう語っている。

「あんなに大漁だったはずなのに、魚は一体どこに消えたのだろう」

「どうせ幹部の口にしか入らないだろう」

一方、北朝鮮の労働新聞は19日、金正恩が人民軍傘下の18号水産事業所を訪問して漁の成果を激励したと伝えた。また、26日には、複数の水産部門の幹部と漁民に関する記事を紹介した。