金正日の甥で韓国に来た後、北朝鮮の工作員と思われる人物に殺害された故イ・ハンヨン(本名イ・イルナム) 氏の死亡10周年追悼式が開かれた。

被拉・脱北人権連帯、脱北者同志会などの北朝鮮の人権を訴える団体が26日、イ氏を追慕する祈祷会を開催し、二度とこのような悲劇的な事件が再発しないように促した。

故人は金正日が最初に同居した女性、成恵琳の姉、成恵琅の息子で、去る1982年にスイスでの語学研修中、韓国に来て、1997年2月15日に自身の家の前で北朝鮮の工作員と思われる男2人の銃撃で殺害された。

イ氏を殺害した犯人はまだつかまっていないが、故人が当時意識を失うまで‘スパイ’と言っており、銃撃の現場で北朝鮮のスパイがしばしば使うピストルの薬莢が発見されたという点から、北朝鮮の工作員によるテロであると推測されてきた。

故人は北朝鮮から韓国に来た後、身分を公開して金正日と家族、側近らの生活を赤裸々に迄Iした本『金正日ロイヤルファミリー』(時代精神・原題‘大同江のロイヤルファミリー、ソウル潜行14年’)を発行するなど、北朝鮮の最高位層の実態を証言したことから、‘報復’の可能性が高いという。

この日の追悼式には脱北者同士会のホン・スンギョン会長、北朝鮮民主化運動本部の姜哲煥前代表と朴サンハク代浮轤ェ参加し、故人の魂を称えた。 また会場には夫人のキム・ジョンウン氏を含めた故人の家族らが参加した。

キム氏は去る2003年から、故人の逝去6周年を迎え、故人の名誉回復のための国家賠償請求訴訟をおこしている。裁判部は2005年12月に、‘保護義務を疎かにした国家に賠償責任がある’と、一部勝訴の判決を下した。

キム氏は追悼文で、“3年以上かかった裁判の一審、2審での勝訴で、故人の名誉を取り戻す日が目の前に近づいている”と述べ、“この10年間、故人と家族が被った苦痛が、この世界の正義の具現のための油となることを願います”と語った。

キム氏は記者たちの前で、“主人は亡くなる前に、何があってもあきらめずに、むなしく死んではいけないという話をよくした”と語り、“死を頼エさせた言葉が今は遺言になった”と、故人に対する哀切な気持ちを表した。

キム氏はヨーロッパに潜伏中の故人の母、成恵琅の消息を問う質問に、“子供(エ・イニャン・高1)と祖母の連絡を待っている”と、故人の家族に会いたいという気持ちを伝えた。

更に、“子供も大きくなり、姑も年をとってきており、なんとかして連絡できることを期待している”と言い、“今無理して会おうとは思わない”と、現実的な困難についても言及した。また、“どこでどうしておられようが、元気で安全に過ごしていただきたい”と語った。

キム氏は国内の脱北者問題に関して、“政府は責任を負わなければならない部分について、無視してはいけない”と語った。特に、ファン・ジャンヨプ北朝鮮民主化同盟委員長に対する殺害の脅迫が続いていることと関連し、“政府は一人一人の生命を大切にしなければならない”と声を高めた。

更に、“どのような力を借りても、この方たちがこの社会で安全に生きて行けるように、安全装置を整備しなければならない”と、政府の強力な対応を促した。

一方、故人の母親の成恵琅は、成恵琳と一緒にモスクワに居住していた1996年に西側に脱出し、ヨーロッパの一国家に潜伏中であるという。姉のイ・ナモクも、金正日に手紙を書いて留学した後、ヨーロッパで逃避生活をしている。