北朝鮮の人権運動に対する功労を認められて、第9回ソウル平和賞受賞者に選定されたアメリカのスザンナ・ショルティ、ディフェンスフォーラム会長が、“アメリカの次期大統領に誰が当選しても、北朝鮮の人権問題の解決のために積極的に乗り出すだろう”と確信した。
8日、‘デイリーNK’がショルティ会長との書面インタビューを行った。
[次はインタビューの内容]
‐‘ソウル平和賞’を受賞しました。おめでとうございます。
“北朝鮮人権活動家であるナム・シヌさんが私に電話をしてニュースを知らせてくれると言った時、私が受賞者に選ばれたとは全く思わなかった。ナム・シヌさんの最初の一言が“今座っていますか?”というものだった。その時、‘無残なことが起きたのだろうか?’という思いが頭をよぎった。私たちが助けている在中脱北者が逮捕されたとか、金正日が私たちの勇ましい脱北者に危害を加えたのではないかと思った。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面金正日が黄長ヨプ氏やキム・ソンミン、コ・ヨンファン氏などを殺すため、暗殺者を送るということも聞いており、その瞬間こうした様々な心配が頭をかすめた。
私はナム・シヌさんが“すごいニュースです”と言って、脱北者全てと地域の難民たちのことを考えた。この賞で彼らはどれだけ興奮するだろうかと思った。
私たちは、非常に多くの難関を共に乗り越えて来たため、この賞は彼らにとっても非常に重要なものだ。私は受諾の文章でこのように述べた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面この人たちの故郷のために、自由と民主主義、人権のために勇ましく働いている脱北者たちと、平和的で民主主義的な方法を通じて自由人として生きて行く自決権や権利を手に入れようとしている西サハラのサラウィ族の難民、私は私の生活をかけてこの人たちの仕事に専念しましたが、この人たちを代表してこの栄光ある賞を受諾します”
‐今回の受賞を通じて北朝鮮の人権問題も国際的なイシューとして浮上したと思うが。
“そうだ。私はこのように北朝鮮の人権問題に対する関心が増大したのは、外部の世界について知ろうとしている北朝鮮の人たちの努力の結果だと思っている。つまり、北朝鮮の情報をより多く把握して、北朝鮮内部により多くの情報を送ろうとする脱北者たちの活動と、北朝鮮の住民たちの声を外部に伝えて、彼らの状況を全世界に知らせる活動の結果だ。このために共に働いた韓国、日本、アメリカ、ヨーロッパの人権活動家、そしてNGOがしたことも重要な要素だった”
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面‐これまで一番困難だった瞬間は?
“困難は常にあり、毎瞬間挑戦するべきものと向かい合っていた。一瞬困難が去れば、また別の挑戦がやってきた。いつも登り坂を歩いている気持ちだった。
一つ一つ、すべてのことがすべて難しかった。初めて聴聞会にアメリカの議員を招待したこと、在中脱北者を救済するための最初のデモにアメリカ人を集めたこと、そして韓国で印刷物を配るために車に乗って多くの場所を回ったこと、黄長ヨプ氏のアメリカ招請を成功させるために努力したこと、これはおよそ6年間努力した。
そして、北朝鮮人権法案を通過させるために、最初の北朝鮮自由週間を組織したこと、北朝鮮を脱出した女性の人身売買に関して、議会で聴聞会を開催したこと、自由北朝鮮放送と脱北者の活動のために後援を集めること、今年の北朝鮮人権週間の行事なども私にとっては挑戦だった”
‐韓国の新政府は北朝鮮の人権問題を対北政策の主要課題にしているが。
“これはすばらしいニュースだ。北朝鮮の苦痛を最も多く分かちあわなければならない韓国政府が、今やっとその役目を果たすようになった”
‐北朝鮮の人権問題を解決するために、実質的にとることができる措置には何があるか?
“みんな、人権問題を前面に立てることはその政権を弱めることだと考えている。そうした人たちは、私たちが一歩退いて金正日を懐柔して、現状を維持しなければならないと思っている。だが、沈黙は北朝鮮の人々にとっては死であり、こうした政策は数百万を死に追いやった。
太陽政策は立派な考えのように聞こえる。国民の面倒をよく見る指導者を相手にすることならば、効果があったはずだ。だが、金正日は国民の面倒も見ない。大量虐殺者だ。人間の生命も尊重しない。
韓国政府が数年間送った善意は、北朝鮮の何も変化させることができなかったし、北朝鮮の人は昔も今も、まったく同様に苦しんでいる。金正日は韓国の納税者たちが一生懸命ためたお金を、朝鮮半島で自分の統制力を維持するために使った。
実質的な段階は、人権を最優先課題にすることだ。そして、李明博大統領がしたことを行うことだ。つまり、胡錦濤を訪問して北朝鮮難民の送還を中断するように促すこと、難民問題を解決するために国際社会と協力すること、また自由北朝鮮放送や風船事業(北朝鮮にビラを送る事業)、脱北者の教会など、脱北者のグループを後援することなどをあげることができる”
‐マケイン候補とオバマ候補の北朝鮮人権政策をどのように予想するか?
“両候補とも北朝鮮の人のことを深く心配していると思う。マケイン議員がオバマ議員よりも多くのことを知っているようだが、オバマは2004年に北朝鮮人権法案がより強力な法案に修正される際に重要な役割を果たしたジョセフ・バイドン議員を副大統領候補に指名した。そのため、誰になっても私たちは共により熱心に働くつもりであり、道徳的義務感を持った自由世界のリーダーとして、彼らに最も苦しんでいる北朝鮮の人たちを助けるように話すつもりだ”
‐毎年ワシントンで開かれている‘北朝鮮自由週間’の行事をソウルで開催する計画はあるか?
“北朝鮮自由週間の決定は、脱北者たちが下すだろう。私は彼らが望めば何でもする。もし、この5年間してきたこととはまた異なる北朝鮮人権週間をアメリカで組織するようにと言われたら、彼らのためにそうするつもりだ。だが、私たちはいつも北朝鮮人権週間がソウルで開かれることを夢見てきた。2009年にソウルで行事を行ったら、2010年には平壌で行うという計画を立てるつもりだ”