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北朝鮮の宣伝媒体が資本主義文化と生活様式の流入を阻み、‘我々式’の生活様式を確立しなければならないと警戒心を鼓舞している。

22日付労働新聞は、‘我々式社会主義生活様式の優越性’ という題で、“ブルジョア文化は支配階級の芸者的なもので、反動的な欲望を反映し、社会の健全な発展を蝕む危険な毒素であり、腐った生活様式が支配する資本主義社会は未来がない”と主張した。

〓 記事の要約

– 極端な個人利己主義と弱肉強食の法則に基づいた腐ってしまったブルジョア生活様式が支配する資本主義文化は、支配階級の芸者的かつ反動的な欲望を反映し、社会と人間の健全な発展を蝕む危険な毒素である。人々の自主意識を麻痺させ、あらゆる社会の悪を生産する腐った生活様式が支配する資本主義社会は未来がない。

– 米帝をはじめとするあらゆる反動が我が国を内部から瓦解させるために、反動的な思想文化と退廃的な生活様式を普及させようとあがいているが、確固とした主体に基づき民族性が強い我々人民には、取り付く島もない。

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〓 解説

北朝鮮は今年の新年共同社説で、“敵の心理謀略戦と思想文化的浸透策動を無慈悲につぶしてしまわなければならない”と強調したのに次いで、1月の内閣機関紙、民主朝鮮を通じて、資本主義文化を蝿やうじに例えて芽を摘まなければならないと、事実上外色文化との‘戦争’を布告した。

現在、北朝鮮には韓国のドラマ‘冬のソナタ’や‘秋の童話’、‘砂時計’などのCD版と歌のアルバムが大量に流入し、高位級から一般の住民まで熱風がふいている。

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ぺ・ヨンジュン-チェ・ジウシンドロームをおこした‘冬のソナタ’は、韓流の代表的なドラマだ。特に縁なしめがねに白くて清爽なほほ笑み、長髪のぺ・ヨンジュンは ‘白馬に乗った王子’のイメージを連想させ、平壌の若者が最も好む対象だ。しかし、ぺ・ヨンジュンのヘアスタイルとファッションを真似たくても、政府の取り締まりが厳しく、若者達の不満が高まっている。

北朝鮮政府は外部から流入する韓国ドラマとアルバムのCDやビデオテープをもとから遮断するために、国境の税関の取り締まりを強化している。また保衛部と保安署は、該当の人民班と協同で取り締まりを強化している。

特に外色文化の取り締まり専門機関である109グループが平安道の市や郡を荒し、取り締まり者が数百人にのぼったといわれている。

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労働新聞が資本主義文化の流入を強く警告したということは、それほど北朝鮮の社会に及ぼす影響が大きいという証拠だ。上流層もドラマに登場する自動車と韓国の住民の生活水準を見て、人前で“我々がいくら頑張っても韓国の経済力をしのぐことはできない”と口をそろえて言っている。

北朝鮮政府はこうした‘韓流’が平壌を感染させる場合、もしかしたら核兵器よりも威力のある’武器’として作用するかもしれない可能性を憂慮している。北朝鮮はメディアを通じて、90年代に北朝鮮の社会に広まった’一致団結’ 、’共産主義の美徳’などを再現させようと踏ん張っている。

これと関連して労働新聞は、“我が社会では革命同志のために一命を捧げて、栄誉軍人のために女性たちが結婚し、親を失った子供達の面倒を見る微風が華やかになっている”と宣伝している。

しかしこのような宣伝が住民たちに受け入れられるはずがない。住民は”種も食えない言葉”と言う。既に数百万人が飢え死にした状況で、党やら革命闘士やら、何の意味があるのかと言う。現在、住民たちの精神状態は過去とは違う。首領と党、政権機関の権威が過去とは比較にならないほど墜落した。

家族どうしで金正日の悪口も言う世の中だ。党員は言葉だけ多くて仕事を熱心にしないと言い、工場では雇用忌避対象になった。昔は党で栄誉軍人と結婚するように言えば、女性たちが本当に競って名乗り出た。しかし今はふさわしい対価が得られない以上、決して出てこない。

労働新聞が“米帝をはじめとするあらゆる反動が、我が国を内部から瓦解させるために反動的な思想文化と退廃的な生活様式を流布させようと猛威をふるっているが、確固とした主体に基づき、民族性が強い我々人民には、取り付く島もない”と宣伝しても、これに聞き入る住民もいない。

彼らも制限された情報ではあるが、過去とは違った目で正しさと過ち、良し悪しを判断しつつある。