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鮮国内の保安所(派出所・分駐所)に火をつけ、簡易拘留場にいる罪人を脱出させる事件が発生し、衝撃を与えている。

先月12日、咸鏡道会寧市のマンヒャン洞のマンヒャン保安支所に火がつけられたすきに乗じ、簡易拘留場にいる密輸の容疑者2人が逃げる事件が発生したと、内部消息筋が21日に知らせた。逃走した脱走者は20代後半の若者であるという。

彼らは中国と密輸関連の仕事をしていたが、住民の錐垂ナ密輸品の保管現場が発覚し、同日、保安員によって緊急逮捕された。彼らは保安所に移動して予審審査を受ける前に、保安所で待機していたところだった。

この日の夕方10時頃に、保安所の武器庫で放火と推定される火が出て、保安員が急いで鎮火した。このすきに乗じて密輸犯たちは窓の鉄柵をはずして逃げたという。マンヒャン分駐所は会寧全体に非常警戒体制を敷いて追跡したが、検挙に失敗したと消息筋は伝えた。

北朝鮮の保安所は、韓国の交番にあたる機関で、通常保安員15人が勤めて地域の治安と住民の監視を行っている。しかし、夜間には当直勤務を含めて2、3人だけが勤めている。

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保安支所には逮捕した容疑者の陳術書を作成して、保安所(警察署)に移送する前に待機させるための簡易拘留場がある。保安支所で調査を終えた容疑者は移されて、保安所で捜査課の対象であるのか、監察課の対象であるのか分類される。本格的な捜査は保安所の予審課で行われる。

消息筋は“最近国境で起こった事件を政府が厳しく処罰するため、つかまった青年たちが脅えて大きな事件をおこしたようだ”と言い、“分駐所でそのようなことをすれば大変なことになる”と語った。彼らは脱出後、渡江して中国に行ったと推定される。

マンヒャンの保安支所で脱出事件が起こった翌日に、会寧のオサンドク保安支所でも3人が脱出する事件が発生した。罪人たちはのこぎりで窓の鉄格子を切って脱出したという。オサンドクの分駐所は会寧市ソン`ョン洞の金正淑の銅像の近くにある。市内の中心地だ。

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オサンドク保安支所の脱走者も、密輸と関連があると伝えられた。彼らは普段から該当保安所の監視対象であり、密輸が疑われると、分駐所で逮捕して家宅捜査まで行う予定ったという。

消息筋は“以前では想像もできないことが起こっている”と述べ、“会寧は中国に逃走するのにも有利で、こういう(密輸犯)人々は中国へ行っても保護を受けることができるため、このようなことを行うようだ”と語った。

彼は “国境近くのため、脱出して中国に行くことを考えたようだ”と言い、”内陸などではこうした事件が発生しにくい”と語った。

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北朝鮮では90年代の食糧難を経て、保安員が露骨に賄賂を受け、権威が地に落ちた状態だ。お金でできないことはなく、お金がなければできることがないというのが、北朝鮮の住民の考えだ。

住民たちが保安員と胸ぐらをつかんで争う姿もよく目撃されている。このような分駐所の脱出事件は、北朝鮮政府の権威が地に落ち、内部で逸脱行為がはびこっていることを象徴的に見せてくれる事件であると解釈される。