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金剛山観光客のパク・ワンジャさん射殺事件後、北朝鮮の態度が荒々しくなっている。

北朝鮮は3日、‘人民軍金剛山地区軍部隊代弁人の特別談話’で、”金剛山観光地区に滞在している不必要な南側の人員を全て追放し、金剛山地区の観光地と軍事統制区域内で起こったささいな敵対行為に対しても、強い軍事的対応措置を取る”と明らかにした。

談話はまた、韓国政府の対応措置は“無分別な反共和国(北朝鮮)対決騷動”であると主張して、“金剛山地区に入って来る南側の人員と車両に対する軍事分界線の通過を一層厳格に制限、統制する”と述べた。

今回の談話は事件発生後半月近く経って出された北側の2回目の公式反応である。‘人民軍金剛山地区軍部隊代弁人’として発表されたが、金剛山軍部隊に’代弁人’という人がいるはずもなく、またいる必要もないため、この談話は金剛山地区の’名義’だけを借りた形で、全面的に’平壌政府の立場’であると見ればよい。

北朝鮮が’金剛山地区代弁人’名義で談話を出した目的は、”この事件は南側の金剛山の観光客が、北側の軍事地域を無断で侵犯したため起きたもの”と再度規定し、”北側は過ちがない”という点を韓国と国際社会に宣伝するためであると見られる。

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談話は“私たち(北朝鮮)の軍人が軍事統制区域の中に入って来た正体不明の侵入対象を見つけたのは7月11日の朝4時50分頃、境界から北に約800m離れた地点だった”と主張し、北朝鮮政府が既に明らかにしたいわゆる’事件の経緯’を繰り返した。

また、“当時戦闘勤務中にあった我々(北)の軍人は、日がまだ明けていない夜明けの時間的制限のため、侵入対象がどこから現われたのか、男性なのか女性なのかも識別することができない条件で、身分を確認する目的で数回にわたり停止するように規定どおり要求した”と強調した。

これまで、韓国政府は金剛山観光客射殺事件を’北朝鮮軍の民間人観光客射殺事件’と規定し、北朝鮮に真相調査団の派遣を要請し、共同調査を求める立場を明らかにしてきた。同時に、ARFでこの問題を国際イシュー化しようと試み、アメリカと協力する動きを見せた。また、政府合同調査団が科学的な方法で”故パク・ワンジャさんは立っていたか、ゆっくりと歩いている時に、100mの距離で照準射撃にあった”という分析を出した。北朝鮮はこれに正面から対抗し、李明博政府の懐柔を続けようとしているという意図が見える。

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北朝鮮政府の今回の’金剛山地区軍部隊代弁人の談話’には、大きく分けて4つの目的が潜んでいると思われる。

第1に、過ちがあっても言い訳をして国際社会の世論を自身にとって有利になるようにしようとしている。今回のように、時折北朝鮮国内でも発表して、住民たちに’私たちには過ちがない’という点を宣伝しようとすることがある。だが、事例は非常に少ない。

第2に、自分が間違っていた場合も韓国政府を最後まで攻撃しながら、局面が有利になるようにしようとしている。金正日は部下たちに、’一度押されれば最後まで押される’と言い、無条件に最初から強硬に対応することを要求する。また、’強硬には超強硬’で対応すれば、韓国政府の対応が和らぐという点を悪用しようとする目的もある。

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第3に、韓国の北朝鮮関連団体を激励しながら、この事件をめぐり、韓国内部で活用できる対応論理を提供しようとする目的がある。今回の談話で韓国政府の措置を、’李明博らの反北朝鮮対決騷動’と規定したのにもそうした目的がある。言い換えれば、南側が南北合同真相調査などを要求する理由は、李明博政府の反北朝鮮的対決が目的であるため、韓国国内の北朝鮮関連団体はこうした南側政府の論理に揺らぐことなく正面から対抗し、この事件は単に’南側観光客の金剛山軍部隊侵入事件’にすぎないことを強調しなさいということだ。しばらくして、’狂牛病対策会議’所属のいくつかの団体(進歩連帯, 民労総など)のホームページに入って見たら、北側の談話と似た論理、例えば’金剛山事件を悪用する李明博政府の反北朝鮮対決を糾弾する’というような文章が登場しているだろう。

同時に、北朝鮮政府は今回の談話を通じて現代アサンを圧迫しながら、’あなたたちが観光でお金儲けを続けたかったら、積極的に南と北を行き来しながらこの問題を解決して見なさい’というメッセージも盛り込んだようだ。’代弁人の談話’の4つ目の目的がこれではないかと思う。

だが政府は、今回の北側の談話に気を使う必要はないだろう。むしろ、南側がARFなどで取り上げたことが、北朝鮮政府をある程度圧迫したという効果があったという事実が、今回の談話に垣間見える。事件の真相が更に具体的に分かるようになり、国際社会がこの事件に関心を持てば持つほど、北朝鮮政府はますます不利になる。

政府は北朝鮮の発表のように、”軍事統制区域の中に入って来た正体不明の侵入対象を見つけたのは朝の4時50分頃、境界から北に約800m離れた地点”というのが正しく、また“当時戦闘勤務中だった我々(北)の軍人は、日がまだ明けていない夜明けの時間的制限のため、侵入対象がどこから現われたのか、男性なのか女性なのかも識別できない条件で、身分を確認する目的で数回にわたり停止するように規定どおり要求した”というのが事実であれば、北朝鮮はより一層堂々と合同真相調査に乗り出す方が有利であり、これは国際社会も望んでいることであるという事実を強調する必要がある。北朝鮮の主張が事実ならば、南北合同調査を通じて科学的に究明すればよいのだ。

したがって、政府は合同真相調査の要求や国際共助を通じた圧迫など、原則的態度を貫くことが正しく、同時に北朝鮮政府が非常に痛みを感じる部分を、事前警告を与えながらそっと揺さぶるという方法も検討することができるだろう。