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第17代国会では政府や与党の反対で、法案の上程さえできなかった‘北朝鮮人権法’が、第18代国会で再度発議された。ハンナラ党のファン・ウヨ議員が4日、国会の開院に先立ち、23人の議員と同法案を発議した。


[次はファン・ウヨ議員とのインタビューの内容]

- 4日に第17代国会で廃棄された‘北朝鮮人権法案’を再度発議した。第18代国会の開院と同時に北朝鮮人権法を再び取り出した理由は何か?

“世界史上、北朝鮮の人権問題ほど急がれる事案はないと考えている。別のことは明日しても、明後日にしてもよいが、(北朝鮮の人権問題は)今日1日で何人死ぬかわからない緊迫した事案だ。特に、北京オリンピックを控えて、なるべく早く通過を促し、注意を喚起しなければならないと考えた。そのため、第17代で廃棄された法案を直ちに処理するために、18代の開院後すぐに発議することになった”

- 今回の法案は‘北韓人権団体連合会’の会員団体との協議を経て、一部修正されたと聞いている。どのような内容が追加されたのか。この法案の最大の特徴は?

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“北朝鮮の人権の改善に対する国家の責任と義務を宣言した。北朝鮮の人権に関する報告書を作り、人権の基本的な改善に対する長期的な計画の発浮ヘもちろん、これを支援する条項が盛り込まれている。

恥ずかしいが、私たちよりも先に北朝鮮人権法を通過させたアメリカと日本の法案には、対北放送に関する条項が含まれている。北朝鮮の住民が人権について悟り、(北朝鮮の現実を)正確に把握することができるように、国際的な放送が必要だと考えている。北朝鮮政権を攻撃するためというよりは、人権に対して正当に接近しようとするものだ”

- ‘北韓人権記録保存所’の場合、国家人権委員会の傘下に置くと明示されているが、最近北朝鮮人権NGOの間では、今までの民間の努力と成果を尊重するためにも、‘半官半民’形式の独立特殊法人を別途に設置しなければならないという提案も出ている。

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“とてもよい考えだ。官というのは政策に対して先入観を持ち、わくの中で働きがちだ。だが、政府の立場としては公式的に確定された(資料が)必要であるため、民と官が別々に運営しても、連携して一緒にする仕事が必要だと思う。民間の活動に支援はしても、運営は独立してしなければならない。

私たちに何か不幸なことが起きた時、誰の責任か問いつめて懲罰することも重要だが、根本的にまず赦しがなければならないと思う。だが、赦しと忘却は違う。まさに正義に反することは冷静に記録しなければならない。記録するということは、実はどんな刑罰や膺懲よりも強い効果を生むことができるし、後代にとって重要な意味を持つ。

私たちの民族が経験してきた様々な反人権的事件を1つ1つ記録して、第3国の脱北者たちが経験している人権に反する行為についても、詳細で正確な記録として残さなければならない。それ自体が後代に貴重な資料になり、二度とそのようなことが起こらないように保障する対策になるだろう。記録の保存は何よりも、最も重要なことだと思う”

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- 国軍捕虜と拉致被害者の生死の確認と送還問題は、時間を争う問題でもある。統一部の傘下に企画団の設置を提案しているが、日本では総理室傘下に拉致問題担当大使まで置いている。拉致被害者問題の解決のため、より積極的な方法が模索されなければならないのではないだろうか?

“まず、この間NGOで様々な経路を通じて拉致被害者名簿を確認するなど多くの苦労をしてきた。(韓国政府は)外交に総力をつくして、その方たちの生死に対する正確な情報を家族に伝えなければならない。本人の意思に基づいて家族が会えるようにして、送還のためにも最大の努力を傾けなければならない。

相互主義の原則に従い、最低限の互恵の原則によって、北朝鮮も南側の要求に応じなければならないと考える。そのため、今後南北間の全ての協議や交渉、交わりに必ず拉致被害者、国軍捕虜問題を含めなければならない。

拉致被害者や国軍捕虜問題は、北朝鮮の核に劣らぬ先決課題であり、必ず解決しなければならない事案だ。(韓国社会は)拉致被害者たちの数が多いため感覚が鈍くなった。だが、家族にとっては量が問題ではない。家族の一人でも拉致されたら、この人たちが互いに会って幸せに暮らすことが人権中の人権だ。北朝鮮が人道主義の原則にのっとり、前向きな態度を見せてこそ、世界で認められる国家になれるだろう”

- 第18代国会ではハンナラ党が与党になったため、‘北朝鮮人権法’が通過するはずだという楽観的な予想も出ている。民主党と民主労働党など、野党の反発も手強いようだが?

“第17代国会の時には、まず政府がこの問題に消極的だった。法案を提出しようとしたら、外交部や統一部があれこれと理由をあげて反対した。国会でも、当時与党だった開かれたウリ党が慎重な立場を見せたため、難しかった。法案の通過のためには、与・野党が合意しなければならないが、北朝鮮の人権に関連する4つの立法は、全て常任委員会で議論されたが中断した。ハンナラ党が多数党になったため、なんとしてでも通過できるよう努力する。

野党が心配しているのは、(北朝鮮の人権問題をとりあげたら)南北関係が梗塞して、北朝鮮が嫌やがる問題に言及すれば、太陽政策に支障が出るだろうということだ。それについても、一面妥当性はあるが、人権問題は私たちが量的に加減することができ、緩急を調節できる問題ではなく、死ぬか生きるかという絶対的な命令だ。

国が基本的な国家の政策を立てる時、人権問題を絶対的な価値として認識しなければならない。南北関係でも人権問題が議論されなければならず、(北朝鮮が拒否したら)国連の次元で討論しようと言えばよい。韓国と北朝鮮はどちらも国連のメンバー国だから、その枠組みの中でも話すことができるが、とりあげさえしないことが問題だ。

(李明博政府になり)政府の立場は定まったと思う。少数の野党の議員だけが残ったが、根本的には楽観的だ。国民もこれからは心をあわせて政治家の決断を求めてくれたらよい。他の国では既に作られた法律を、当事者である我々が作らなかったら、子孫に対してどれだけ恥ずかしいことだろうか。少し遅れたが、18代国会で早く通過させて、世界の国々と一緒に私たちの同胞の問題を分かち合わなければならない”

- 今回の国会では、特に初当選の議員を中心に、北朝鮮の人権に関する立法活動に弾みがつきそうだ。

“初当選の若い議員たちが党に来て、これからは北朝鮮の人権、脱北者問題に取り組んで働きたいと沢山話しており、非常に勇気づけられる。今回の方案の発議にも初当選した議員たちが参加したが、ワークショップなど議員の会合の場でもこうした意見がよく出ている”

- 今回の法案には、北韓人権諮問会議と北韓人権記録保存所の設置、北朝鮮人権大使の任命など、政府レベルで北朝鮮の人権問題に接近できる制度を準備している。李明博政府が北朝鮮の人権問題にどの程度関心を傾けていると評価するか?

“振り返って見れば、国家人権委員会はこれまで、北朝鮮の人権問題を議題としてあげたことがなかった。だが、(政権が変わった後)人権委の最も重要な課題の1つとして北朝鮮の人権問題が話されている。ここでも政府の確固とした立場を確認することができると思う。李明博大統領は、国民の代表である国会議員の前で行なった最初の施政演説でも、拉致被害者や国軍捕虜問題などに言及した”

- これまでハンナラ党の内部でも、脱北者や拉致被害者、北朝鮮の人権に関する特別委員会があった。しかしあまり影響力を発揮することができなかったという指摘もある。

“まず、北朝鮮の人権問題を外国の問題と考えていることが過っていると思う。北朝鮮の住民は私たちの同胞であるだけでなく、国連の精神によって国家を超越して語ることができる問題だ。人権の保障は国連で決議された部分であるため、互いに順守する義務がある。この部分について、当然声を出さなければならず、やらなければならない役割もある。

現在、与・野党の議員が超党的に参加している国会人権フォーラムでも、最も重要な懸案としてこの問題を扱っており、‘北朝鮮自由住民の人権のための国際議員連盟(IPCNKR)’との協力の下で、この問題に対処しようとしている。既存の機関を通じて力を合わせれば、難しいことではないだろう”

- 今後、法案通過のためにどのような活動を計画しているのか?

“発議したので、すぐに政策委員会や各党を対象にした説得作業に入ることになるだろう。なるべく早く通過させたい。特に、中国にいる脱北者の問題が急がれる。脱北者問題はカンボジア、ラオス、中国の人権とも関連しているため、アジアの人権状況を新しい次元で作るきっかけにもなるだろう。窮極的には、アジアで人権裁判所ができるようにすることが目標だ”

- 最後に、デイリーNKの読者の皆さんに一言お願いします。

“北朝鮮に関する迅速かつ正確な報道を感謝している。読者の皆さんは、この時代の新しい人権の先駆者だ。人権はそのまま与えられるものではなく、汗と血を流して勝ち取るものであり、守って子孫に渡すものだ。読者の皆さんの声援と力を合わせて、今後よい結果があることを願っている”