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北朝鮮は2002年7月1日、北朝鮮は崩壊した国家計画経済の回復、ヤミ市場の解消、政府の財政負担の軽減などを目標に掲げ、「7・1経済管理改善措置(以下7・1措置)」と電撃発表した。

この措置は、賃金と国定価格を現実化させるだけでなく、工場や企業所のインセンティブ制度と独立採算制を拡大させ、北朝鮮社会が下から「市場化」される決定的な端緒となった。

しかし、国民の間では、7・1措置以降の国内の変化に対して相反する評価が出ている。その一つが、この6年間の殺人的なインフレと不正腐敗の深刻化で、北朝鮮経済は一層苦しくなったというものだ。

中国の延吉を訪れた北朝鮮からの旅行者、チャンさんは、「7・1措置の時、コメ1キロの国定価格が44北朝鮮ウォンに引き上げられたが、今(2008年6月初め)では2500北朝鮮ウォンまで上がった、貨幤の価値がますます下がり、生活が大変になっている」と語った。

単純に計算すると、6年で58倍になったことになる。トウモロコシ1キロは現在、1500北朝鮮ウォンで取引されているが、国定価格33北朝鮮ウォンの45倍になったものだ。

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チャンさんは「物価は上がり続けているが、労働者の賃金は6年前とまったく同じ」とし、「月給を2000北朝鮮ウォンもらっても、コメ1キロすら買えないが、その程度の給料をくれる工場はまだマシな方」と述べた。

「北朝鮮ウォンの価値が下がり続け、その日暮らしをしている人たちはいつも大変だ。金持ちはカネが入れば米ドルや人民元に交換したり、食糧を買いだめしたりする」(チャンさん)

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)から来たカンさんは、7・1措置の後から、幹部の不正腐敗が目立って増えたと指摘した。

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「かつて法官(保衛部、保安署、検察)は、罪を犯した人を検挙し、国からの配給だけで暮らしていたが、今では商売をしている人を狙うようになり、暮らし向きがずいぶんよくなった」

つまり司法関係者は、一般庶民の犯罪は放置し、金持ちの犯罪だけを摘発し、釈放、減刑を見返りにワイロを受け取り、それで暮らしているということだ。

「国が商売を許可したので、法官は商人脅してカネを巻き上げることが多くなった。市民は国の法律がどうなっているのかわからないため、法官が違法だと言ったら違法だと思ってワイロを渡す」(カンさん)

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一方、7・1措置以降、国民の生活力が高まり、国際社会の流れを理解しようとする幹部が増えたという評価もある。

中国の丹東で会った北朝鮮のB貿易会社の派遣社員チェさんは、「国が品物の価格と賃金を大幅にあげるように指示したが、『工場をいかにして稼動させるか』ということに対する指針はなかった」「国は『賃金を上げろ、配給をもっと配れ』と指針を下すが、工場を再稼動させるための原料や資金は全くくれなかった」と嘆いた。

「市場に陳列されている製品はすべて中国製。中国から物を持ちこんで売ろうとする人ばかりで物価は上がり続け、生産は後退し続けるだろう」

「それでも7・1措置以後、貿易に携わる人たちが中国に行くことも前に比べれば容易になり、中国の投資者を探す機会も増えた。一番重要なのは‘資金’だが、これからは外部社会の‘情報’と‘人脈’も非常に重要だと考えるようになり、北朝鮮の人も賢くなった」(チェさん)

平壌から来たキムさんも、次のように語った。

「もはや国民は自力で暮らすすべを知っている。以前は出身成分(身分)が悪い人は国からの配給だけで食べて、どうやって仕事の量を減らすかということだけ思案していたが、これからは一銭でも多く稼いで財産を増やして、子供ももっと教育しようと必死になっている」

「若者の間では『やることがなければ、外にでて詐欺でも働け』という言葉が流行るほど、お金への執着が高まった。わが国も改革開放になれば、中国がうらやましくないほどいい暮らしができるだろう」