人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

朝鮮中央放送が14日、金正日が咸鏡北道キルチュの農場を現地指導して、“現在、人民の食糧問題、食べる問題の解決ほど切迫して重要なことはない”と言ったと伝えた。

金正日が語ったというこの言葉は、今年の新年共同社説で経済強国の建設を強調して、“現在、人民の食糧問題、食べる問題の解決ほど切迫して重要な課業はない”と明らかにしたのを見ると、’課業’という表現が’こと’に変わっただけで、残りは助詞一つ違わず、実際に金正日が口にした言葉なのか疑わしい点もある。

これについて北朝鮮の宣伝媒体の記者出身の脱北者、キム・ソンMル(仮名)氏は、“北朝鮮のすべての宣伝媒体が、当局の統制と指示を受けている”と述べ、“金正日が話さなくても、中央党から指示が伝われば、指示の内容に従ってそのまま報道される”と話した。

キム氏は“金正日の名義で報道されたら、直接言った言葉ではないとしても、北朝鮮社会の特性上、金正日が話したことになる”と説明した。

北朝鮮のメディアが異例に金正日が人民の生活の問題を懸念しているかのように報道したのは、こうした宣伝を通じて、ますます加重されている食糧難のため、もしかしたらあるかもしれない人民の動揺を事前に遮断するためのものであると解釈される。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

特に、1990年代半ばに200~300万人の大量餓死者が発生した‘苦難の行軍’の時期を経験した金正日にとっては、再びこうした大量餓死が発生したら、住民の動揺と社会の不安が増し、北朝鮮体制が深刻な危機に直面する可能性もあるという危機感が作用したものであると思われる。

だが問題は、‘人民の食糧問題の解決’について言及しながらも、問題を解決するための接近方法は全く変わらなかったということだ。

金正日はこの日、現地指導をしながら人民の食糧問題の解決方案として“優越性が確証(?)された‘主体農法’の要求どおり、農業を化学技術的に行って適地適作、適期適作の原則を徹底的に守らなければならない”と言い、‘主体農法’を解決方案として提示した。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

主体農法は金日成が北朝鮮の実情に合うように、独創的に創始したと主張する北朝鮮の農業法だ。適期適作、適地適作などの用語があるが、はっきりとした科学的概念はない。したがって、人民たちは‘党が言うとおりにすることが主体農法’と思っている。

北朝鮮の‘朝鮮語大辞典’では、‘主体農法は我々の国(北朝鮮)の気風や風土と、農作物の生物学的特性に合うように、農業を科学技術的に作る科学農法であり、現代の科学技術に基づいて農業生産を高度に集約化した集約農法’と説明している。

だが、“優越性が確証されたという‘主体農法’”にもかかわらず、この10年間、北朝鮮の食糧難は全くよくなっていない。これは、‘主体農法’の失敗を反証している。実際に、ずいぶん前から金日性、金正日父子の‘主体農法’は失敗し、それよりも農地と自然環境を破壊し、食糧難を一層深刻にしたと指摘されている。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

また、‘主体農法’はかつて一時的な生産量の増産には成功したが、結局‘農地の砂漠化’と‘禿げ山’という結果をもたらしただけだったと指摘されている。韓国農村経済研究院のクォン・テジン選任研究委員は、“主体農法などの人為的な要因も、農業の基盤を弱化させる原因になった”と語った。

国家安保戦略研究所のチョン・クァンミン選任研究委員は‘デイリーNK’との通話で、“主体農法は事実上、食糧難の解決と関係がないだろう”と言い、“食糧問題が深刻だという国内外の世論を喚起するため、‘主体農法’という虚像を強調している”と指摘した。

チョン研究委員は“北朝鮮が今の集団農場体制で確保できる食糧の最大値は約450万tだと把握できるが、毎年不足して食糧難に陥った”と述べ、“集団農場体制では食糧の不足分を満たすことができないという点が明らかにされたにもかかわらず、これを維持しているのは政権が不真面目だから”と話した。

更に、“集団農場体制を個人農体制に転換して、所有権は与えなくても、一定の部分は住民が自由に市場で売ることができるようにするインセンティブを提供しなければならない”と述べ、“ベトナムや中国など、他の社会主義国家が既に試みたあまりにも常識的な改革措置”と指摘した。

また、“個人農体制に切り替えるからといって、短期的に食糧難を解決することは不可煤hと言い、“短期的には北朝鮮が輸出産業を育てて貿易を拡大し、食糧を確保しなければならず、長期的には改革・開放が根本的な解決策”と強調した。