ひっきりなしに見られる金正日のこうしたまねごとに、どのように対処したらよいだろうか。
開城工団の南側要員の追放は2006年7月にも一度あり、また李明博政府が出帆して既に予想されていたことだったため、政府とメディアがやたらとおののく必要は全くない。特に、金大中-盧武鉉政府の時期に親政府的だったメディアは、あえて事態を誇張してはいけない。政界の一部でも、’太陽政策以外に代案はない’というふうに出れば、それは事態の解決が目的ではなく、政治宣伝扇動になる。
第一に、北側が起こす騷動には新政府を試す性格が強いため、政府がこれに対応したり、先に対話を要請すれば損害を受ける。大統領は勿論、総理や統一部長官がこれに言及する必要もない。まず、徹底的に無視することだ。
第二に、予定された李明博大統領の訪米を通じて、北朝鮮の核問題に対する韓-米間の合意がまず必要だ。金正日には核兵器を放棄する意思が全くないことを、今になってライス国務長官やクリストファー・ヒル国務次官補は悟ったはずだ。したがって、6者の枠組みの中で北朝鮮の核廃棄プロセスは続けるが、北朝鮮を除く5ヶ国が朝鮮半島の非核化の達成のために、実質的に何ができるかについて、韓米間でまず合意しなければならないのだ。
李明博大統領の今回の訪米期間中に、大きな枠組みで韓米間の合意をした後、ブッシュ政府の任期内に、北朝鮮の核問題をめぐり、最後の米-中間の戦略対話を行うように要求しなければならない。韓国は、再び堅固になった韓米同盟を基盤とし、立場がもう少し高まった状態で、韓-中協力関係を一段階高めなければならない。韓国は中国の東方地域の安定のためには北朝鮮と協力するよりも、韓国と協力する方がずっと有利だという事実を中国に認識させ、朝鮮半島の恒久的安定のためのしっかりとした韓中協力関係を構築しなければならない。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面第三に、金正日にとって北朝鮮内部の問題に関心を集中させるように、積極的に行動する必要がある。
もし北朝鮮内部に金正日政権にとって脅威になりそうな人たちがいたら、金正日が対外的に開城工団をめぐり、こうした行動をとる余裕はないだろう。したがって、金正日が内部問題に没頭するように対北戦略を考える必要がある。国情院は今後、この問題を積極的に扱わなければならない。
第四に、今回の開城工団騷動をきっかけにして、金正日に非合理な行動をとればどれだけの損害が後についてくるのかを肌で感じさせる必要がある。この問題を解決するために焦る必要はない。今開城工団で利益を得るのは、現金を懐におさめる金正日であり、韓国ではない。北側がまず私たちを撤収させたため、この問題の解決のために先に要請して来るのを待つ方がよい。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面第五に金正日が最も恐れるのは、自分よりも強い軍事力、すなわち韓米軍事同盟だ。金正日を現実的に扱うことができる主な手段は、’言葉’ではなく力と資金だ。新政府は今後、一定の時期に韓米軍事同盟がどれだけ強いのかを静かに見せる必要がある。メディアで騷ぐ必要もなく、金正日に効果的に伝達されさえすればよい。金正日が最も恐れるのがまさにこの点である。
2000年代以後の北朝鮮と90年代以前の北朝鮮の間には確実に差がある。70、80年代の北朝鮮は、挑発する前にうるさく騷ぐことはほとんどなかった。90年代までもそうだった。一方で隠密に挑発して、もう一方では話し合おうと言って来た。
だが2000年以後、北朝鮮は西海で挑発する時もしきりにうるさく騷いでいる。核実験をする時は1年6ヶ月前に’核保有宣言’で騷いだ。隠密に核実験をしてもよいのに、まずうるさく騷ぐのだ。これは金日成と金正日の仕事のスタイルの差と思われるが、金正日を取り巻く内外的な環境が、不利だという点を見せてくれる証拠でもある。自分が強ければ静かに強い姿を見せてくれればいい。だが、金正日政権は既に空き缶になった。それでうるさいのだ。交渉は相手が弱くなったという事実を正確に知れば有利になる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面この10年間の誤った南北間交渉のあり方を変える時が来た。私たちが箔ョ型、主導型の地位に立つ時が来たのだ。