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脱北者の人権問題を扱った映画‘クロッシング(監督キム・テギュン・製作キャンプB)’が18日にソウルの梨花女子高校の100周年記念館で製作報告会を行った。

この日の製作報告会では、映画の主な場面と製作のドキュメンタリー映像が上映された。続いて、監督と俳優のインタビューも行われた。インタビューでは映画の製作過程での困難と製作者、俳優の作品に対する理解や感想が語られた。

5月に封切りの予定であるこの映画は、平凡な北朝鮮のある一家の貧困と、これによる脱北の過程、‘コチェビ’になるしかなかった幼い子供の悲しい話を、100人余りの脱北者の証言に基づいてリアルに描いた。

この映画を演出したキム・テギュン監督は、“人気がない脱北者問題を主題にした映画の製作は躊躇したが、中国やモンゴル、東南アジアをさまよっている人のために心が動いた”と、映画の製作を決心するまでの心境を告白した。

‘クロッシング’は実際に、国際社会で注目された25人の脱北者の‘2002年北京駐在スペイン大使館進入事件’を基に製作された。

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この日キム監督は、“6ヶ月以上にわたり、100人余りの脱北者とインタビューをして、シナリオの下書きを完成することができ、本や証言、映像資料などを見ながらシナリオを完成させた”と述べ、“脱北者とインタビューをした過程で皆が涙を流し、シナリオを書く時も作家と一緒に涙を流しながら作業をした”と明らかにした。

キム監督は“10年以上前、ドキュメンタリーを見て道に落ちた麺をドブ水で洗って食べている‘コチェビ’の姿を見て衝撃を受けて製作を決心した”と述べた。

この映画の主演俳優であるチャ・インピョは、“シナリオを初めてもらって、‘脱北者’という主題が観客から歓迎されないと判断した”と述べ、何度も出演を断った事実を打ち明けた。更に、“その後、インターネットで咸鏡北道の清津でかばんを抱きしめて死んだ北朝鮮の少年の姿を見て出演を決心した”と語った。

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また、600対1の競争をくぐりぬけて選ばれた子役俳優のシン・ミョンチョル君は、“北朝鮮の子供たちがそれだけ大変に(暮らして)いることを感じて辛かった”と言った。困難な撮影の過程については、“演技しなければ家に帰れないと思いながらしました”と言い、参加者を笑わせた。

この映画は咸鏡道が舞台で、‘北朝鮮村’というセットを江原道とモンゴルに再現した。チャ・インピョはリアルな表現をするために、撮影の2ヶ月前から脱北者との密接な生活を通じて、演技を消化できたという。

映画の製作を秘密裏に行ったことについてキム監督は、“映画の胸が痛む話が、ともすれば政治的に誤解される可能性があったからだった”と言い、更に“撮影の間、演技者とスタッフの中に脱北者がいて、北朝鮮に送還される事態が発生する可能性もあったため”と説明した。

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チャ・インピョは映画の撮影を終えた感想を問う質問に対して、“映画の中の息子は11歳で、実際の息子と年齢が同じ”と言い、“暴力や規制、飢えに苦しむ家族が、どのように崩壊するのかを見ることができた。強い父性愛を感じながら作業をした”と言い、涙ぐむ場面もあった。

キム監督は映画の製作過程でのエピソードを紹介しながら、“脱北者の姿を生き生きと見せるために、筋肉が多いチャ・インピョさんに、ランニング以外の運動をしないように頼んだ”と言った。

チャ・インピョはモンゴルでの撮影中、急に体調が悪化し、4日間何も食べることができなかったと話し、“4日後には食べたいという気持ちでいっぱいだった”と述べ、“今考えて見れば、選んだわけではないが、役になりきるのに助けになった”と紹介した。

キム監督と俳優はこの映画に対する政治的解釈を警戒したが、“遠い国の作り話ではなく、近いが遠い国である北朝鮮で、10年経った今も続いている状況”と言い、“彼らに対する関心と愛が少しでも大きくなったらと思う”と語った。

チャ・インピョは“私には左派・右派などの政治的なことは分からない。飢えている子供たちのためにこの映画を作った。そこがアフリカでも北朝鮮でも、私はその子供たちに希望を伝えたい”と明らかにした。