盧武鉉政府の脱北者政策に不満を抱いてイギリスへの亡命を申請した脱北者イ・クァンス氏が、イギリス移民局の追放命令を受けて、11日午後4時20分に仁川空港に入国した。
ソウルに住むイ氏の知人はこの日、‘デイリーNK’との通話で、“イ氏は韓国政府に対する反発心から、去年イギリスに渡って亡命を要請した”と明らかにした。
この知人は、“だがイギリスで亡命の申請が受け入れられず、2月25日にイギリス駐在韓国大使館の前でデモを起こし、このことがきっかけでイギリスの移民局に逮捕され、追放命令が下されて今日帰国したと聞いている”と伝えた。
イ氏はこの日、空港に到着した直後に警察に身柄を引き渡されて、現在ソウルの某所で調査を受けていると伝えられた。
イ・クァンス氏は2006年3月に妻と2人の子供、友人1人と一緒に木船に乗って海を越えて脱北した。だが、調査の過程で身元がメディアを通じて明らかになり、北朝鮮にいる家族19人全員が行方不明になったと伝えられた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面そのため、その年の10月に、イ氏は韓国政府を相手に“政府で調査を受けていた時に、本人の身の上に関する情報が流出し、本人と北朝鮮にいる家族が身辺の脅威を受けることになった”と主張して、これによる精神的苦痛に対する賠償を求める内容の損害賠償請求訴訟をしたが敗訴した。
韓国政府の脱北者政策に反発したイ氏は、翌年イギリスに渡って亡命を申請したが受け入れられなかった。一部ではイギリス政府が韓国との関係を考慮して、イ氏の亡命の申請を受け入れないのではないかという疑惑も出ている。
イ氏は当時、メディアに送った電子メールで、“北朝鮮国籍の国民が2度と韓国政府の政治的犠牲になることを阻むために、韓国国籍を捨てて亡命することを決心した”と明らかにした。