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26日に平壌で行われるニュ−ヨ-クフィルの公演に国内外のメディアの関心が集まっている中、北朝鮮の宣伝媒体も関連したニュースを相次いで伝えている。

朝鮮中央通信は23日、”2008年2月26日に平壌でアメリカのニューヨーク交響楽団が公演を行う”と伝え、”ニューヨーク交響楽団はオーストリアのウィーン交響楽団、ドイツのベルリン交響楽団とともに’世界3大交響楽団’にあげられている”と紹介した。

同日、労働党の機関紙である労働新聞もアメリカのニューヨーク交響楽団が平壌を訪問するという記事を掲載した。

北朝鮮政府のこうした宣伝とは異なり、北朝鮮の住民が実際に今回の公演をどのように見ているのかにも関心が向けられている。一部では、ニュ−ヨ-クフィルの公演が北朝鮮の住民にとって文化的衝撃を与える可能性があるという期待交じりの予想も出ている。

メディアとは異なる講演会、人民班会議

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北朝鮮には、毎年金日成の誕生日を記念して開かれる“4月の春の親善芸術祝典”という国際的な音楽行事がある。また、中国やロシアの楽団や交響楽団の公演も時々開かれる。

今月16日の金正日の誕生日にも、外国の楽団と歌手の祝賀公演が行われたという。

‘4月の春の親善芸術祝典’では公演が始まる前に、特に有名な外国の俳優を紹介して、“公演の日程が非常に多忙であるにもかかわらず、すべてを延期して我々の共和国をまず訪問してくれた。帝国主義反動のあらゆる脅迫と妨害策動も退けて、命をかけて主体朝鮮に来た”というふうに宣伝する。

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公演が終わった後には外国の有名人たちの名をかりて、この人たちが首領様と偉大な将軍様の領導の業績をほめたたえたという資料を作って住民教育を行う。

今回のニュ−ヨ-クフィルの公演についても、北朝鮮政府は大々的な政治教育事業を事前に行うだろう。

韓国国内に住む脱北者は、“おそらく、’我々の共和国の対外的権威と鋼鉄の武装力の前に怖気づいた米帝が、我々の前にひざまづき、媚びた目つきで見上げる行事’という教育を行うだろう”と言った。

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アメリカの国歌が演奏されても大きな意味は与えられず

ニュ−ヨ-クフィルの公演でアメリカの星条旗が掲げられ、国歌が演奏されることに特別な意味があるとも言われている。だが、公演を直接観覧する住民たちはもちろん、ラジオを通じて公演の中継を聴く住民たちにも大きな影響を及ぼすことは難しいだろう。

実際に、アメリカの星条旗が描かれた対北支援米の麻袋が北朝鮮の市場で何の問題もなく流通しており、平壌には外国人の姿も目立つ。開城と金剛山には韓国の観光客が行くので、ラジオで公演が中継されても大きな意味は持たないだろう。

特に、北朝鮮の住民は他の国と異なり、国家に大きな意味があると考えない。北朝鮮国内のすべての公式行事では、金父子の歌だけを歌うことになっている。愛国歌は歌いもしない。また、北朝鮮の住民が全く聞き取れない歌が、住民に何かメッセージを投げかけると期待するのも誤った判断だ。

北朝鮮政府はニュ−ヨ-クフィルの公演を誘致して、対外的にアメリカと関係改善する意志、改革開放の意志を誇示しながらも、北朝鮮の住民に及ぶ影響力は最小化させようとする’一石二鳥’の公演を狙っている。

公演の観覧客は制限された少数にすぎず

今回の公演が北朝鮮全域で中継されるという。だが、直接公演を観覧できる人は限定されている。

韓国ではお金を出せば誰もが外国の公演を見ることができるが、北朝鮮では限られた人だけが観覧券を配ってもらえる。政府はあらかじめ発行した観覧券を工場や企業所に配り、該当の工場や企業所の党書記たちが家庭環境と政治的背景がよい対象を優先させて観覧券を配る。もちろん、観覧券は無料だ。

観覧券をもらったら、特別な理由がない限り公演場に必ず行かなければならない。もし公演を観覧しなければ、“国の対外的権威を毀損させる行為、将軍様の尊厳を汚す行為”と規定され、政治的制裁を受ける可能性がある。

工場や企業所では選ばれた人たちに、公演を観覧する時に守らなければならない原則を伝え、厳格に守るように駄目押しする。

公演の観覧者は専門家中心ではなく、家庭環境中心で選ぶため、絵に描いたように座って、公演の種目が変わる度に熱心に拍手を送るそらぞらしい光景が演出されるだろう。

金正日が参加する公演の場合、国家功労者や国家の主要な機関で働く幹部たちだけが参加でき、公演に先立って決められた場所に集まり、拍手や万歳などの練習をあらかじめしなければならないのである。