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金日成、金正日と2代にわたり、金日成勲章や労力英雄などの称号を受け、去年は金正日の現地指導まで随行したチョン・チュンシル(67、慈江道チョンチョン郡の商業管理所所長)が、最近脱北して現在タイで第3国への亡命を準備していると、脱北者放送である自由北朝鮮放送が21日報道した。

脱北者らはチョン・チュンシルの脱北と第3国への亡命の準備が事実であることが確認された場合、1997年の黄長ヨプ元労働党書記の脱出に匹敵し、北朝鮮の住民に大きな衝撃を与える可能性があると語っている。

同放送は19日にタイを経由して国内に入国したある脱北者の証言を引用し、“タイの移民局に(収監されて)いる友人から、チョン・チュンシルが中国を経由してタイに到着し、現在外国に亡命するために待機中という話を聞いた”と伝えた。

放送はまた、チョン氏の脱北の消息を確認するために、消息をたよりに探していた所、中国からチョン氏を直接タイに送ったと主張する脱北者支援活動の関係者との通話に成功したと明らかにした。

この関係者は同放送との通話で、”チョン・チュンシルが脱北したことは本当だ。だが、どんな理由で脱北したのかは話せない”と語ったという。

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翌日、この関係者との通話を再度試みたところ、“保安の関係上、これ以上答えることはできない。彼女(チョン・チュンシル)は現在、タイで一般の脱北者と同じ扱いは受けていない”と言い、チョン氏が韓国の情報機関の保護下にいることをほのめかしたと放送は伝えた。

同放送は21日、デイリーNKとの通話で、“初めてこの消息を聞いた時、私たちもうわさにすぎないと思っていたが、タイで実際にチョン・チュンシルを見たと言う人が数人現われた”と述べ、“何度も情報を確認した後、事実という確信を持ち報道することにした”とこの間の経緯を説明した。

事実関係の確認のために、タイでチョン・チュンシルを目撃したという、韓国国内に入国した脱北者との接触を試みたが、放送は身辺の保護を理由にこの脱北者がインタビューを拒否していると伝えてきた。

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これと関連し、国内の情報当局は“事実確認のためには時間が必要だ”と直答を避けた。

また、別の情報当局関係者は“チョン・チュンシルは1月下旬頃、朝鮮中央テレビに出演していた”と述べ、“先月まで北朝鮮の公式のメディアに出演していた人が、突然脱北して第3国への亡命を待っているというのは腑に落ちない”と語った。

チョン氏は去年9月、慈江道で現地指導をした金正日総書記に随行した。金正日総書記は当時、“チョン・チュンシルの崇高な忠誠心に党員と勤労者が従い、学ばなければならない”と述べ、チョン氏と記念写真を撮った。

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これについて韓国国内に住む脱北者は、“チョン・チュンシルの脱北が事実ならば、北朝鮮の住民にとっては黄長ヨプ元書記に匹敵する衝撃的なこと”と言い、“一般の住民は、軍隊の高位幹部が脱北してもそれが誰なのか分からないため、特別な関心はないが、チョン・チュンシルは住民全てが知っている‘労力英雄’なので、影響は大きいだろう”と語った。

◆ チョン・チュンシルとは?= チョン・チュンシルは北朝鮮政府が全国的に実施した‘チョン・チュンシルに従い学ぶ運動’の主人公だ。

チョン氏は30年間慈江道チョンチョン郡の商業管理所の所長を務め、‘私たちの家庭手帳’というものを持っていたが、ここには担当する住民の生活状況が書かれており、彼らを体系的に管理して世話をしていたという。

金日成が‘私たちの家庭手帳’について、“共産主義的商業の芽であり、非常によい社会主義商品供給の方法”と誉め、1991年に金正日がチョン・チュンシルの経験と事例をあげて、この分野の従事者たちにチョン氏に積極的に従い、学ぶように指示し、‘チョン・チュンシル運動’が始まった。

チョン・チュンシルは第6期(77年12月)から11期(現在)まで最高人民会議の代議員を務め、北朝鮮の最高の勲章である‘金日成勲章’と‘労力英雄’称号を受賞し、金正日総書記から‘親筆書簡’ももらって有名人となった。

だが、チョン・チュンシルは金正日総書記と親しくなり、これを利用して不正蓄財をしたため、住民の間では信任を失ったと言われている。脱北者らによれば、チョン氏は金日成を‘お父様’と呼び、金正日を‘お兄様’と呼んで権力を行使したという。