韓国政府が人道主義のレベルで北側に支援した米が、北朝鮮軍の最前方部隊に流入していたことが確認された。軍の関係者によれば、2006年末から赤庶嘯ﾌマークがついた米の麻袋がトラックに積まれている様子がとらえられ、空の麻袋が陣地の構築にも利用されている様子も、韓国軍によって何度も確認されたという。

これまで北朝鮮軍の部隊に流出したと確認された米の麻袋は、10回以上にわたり、400個を超えると伝えられた。軍当局は数年前から通信の傍受を通じてこうした事実を確認していた。結局、人道目的で支援した米が、いつ私たちに鉄砲を向けるか分からない北朝鮮の軍人に手渡されていたのである。北朝鮮軍にとっては、空の麻袋で陣地も構築できる‘一石二鳥’の支援であったわけだ。

問題は、韓国の軍当局が知っていたのに抗議するどころか、その経緯さえ確認せずにもみ消して来たという事実だ。政府はこれまで開催された南北長官級会談や、軍の将軍級会談などで、これについて問題視したことが一度もなかった。結果として、金大中-盧武鉉政権と続いた‘太陽政策’が、北朝鮮が改革・開放に乗り出すようにコートを脱がせたのではなく、私たちのコートだけを脱がせて、北朝鮮体制に厚いコートをかけてやったことになってしまったのである。

この間、対北支援米の軍への転用疑惑は、‘デイリーＮＫ’をはじめとする北朝鮮の人権団体と脱北者によって提起されてきた。一部では戦時用の’備蓄米’として使われているという主張も出ていた。北朝鮮民主化委員会が去年12月に脱北者250人を対象に調査した結果、60.4%が”韓国の支援米が軍部隊に優先的に行くと考えている”と答えた。

だが、韓国政府はこの間、‘確認されていない’と、一貫してなまぬるい態度をとってきた。だが、14日に‘わが軍当局が対北支援米に対する北朝鮮軍の転用の事実を確保している’というメディアの報道が出ると、主務部処である統一部はこの日、“この間、対北支援食糧の転用問題に対しては、様々な疑惑が提起されており、統一部は関係機関の諜報を共有してきている”と一足遅れて明らかにした。

更に、“統一部は分配の透明性の向上のために、南北会談の現場訪問など様々な機会を通じて、北側にこの問題の重要性を持続的に強調している”と主張した。今になって、“関係機関の諜報を共有してきている”と明らかにしたのもそうだが、そうした事実を知りながらも、対北支援を続けて来たのであれば、これは国民に対する欺瞞であると同時に、詐旧