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第8回北朝鮮人権・難民国際会議が先月開かれ、デイリーNKは会議を主催した北韓人権市民連合のユン・ヒョン理事長とインタビューを行った。 ユン・ヒョン理事長は1970年代に良心囚の釈放運動を始め、37年間北朝鮮とアジア地域の人権運動に献身して来た。現在、アジア人権センター理事長を兼任している。

[次はユン理事長との一問一答]

‘第8回北朝鮮人権・難民国際会議’で議論された‘新しい接近’とは何か?

‘新しい接近(New Approaches)’は2年前にノルウェーの国際会議で提案された。国連総会で対北人権決議案が通過されるほど、世界各国の政府とNGOが北朝鮮の人権問題の深刻性を理解しているため、国際的な公論化は一定の段階に到逹したと評価できる。

‘新しい接近’は公論化の水準を越え、実質的な北朝鮮の人権改善のための深化の過程が必要だという問題認識から出発している。

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政治犯収容所や在外脱北者問題などの迄I、告発も重要だが、これからは北朝鮮全体の住民の生活を向上させる問題まで視野を拡大しなければならない。条件付きの経済的、技術的支援を通じて、総合的な人権の水準を漸進的に改善させられる方案も動員されればよい。冷戦時代に東欧の社会主義国家に経済支援を保障し、人権改善を誘導したヘルシンキプロセスを活用する方案も積極的に検討する必要がある。

李明博政府も’ヘルシンキプロセス’に対する検討の意志を明らかにした。北朝鮮政府がこうした方法に、どのように応じるかが気になる。

北朝鮮政府の政策の変化を牽引するために、北朝鮮政府と意思疎通ができる各国政府や議会が、北朝鮮の人権改善のために積極的に乗り出すことが必要だ。一方では北朝鮮の人権問題の深刻性を広く伝え、もう一方では各国政府と議会が、北朝鮮政府を直接相手にするように牽引する方法を並行させようということだ。

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もちろん、北朝鮮政府が容易に応じるとは思わない。抗議もして、対話自体を拒否する可能性もある。しかし現在、北朝鮮政府には各国政府の経済的、技術的支援をやたらに拒否できる余裕がないという点も見逃すことができない現実だ。この点をよく活用すれば、意味ある成果を導き出すことができると思う。

外国の政府が‘新しい接近’に基づいて、対北政策を進めた事例があるか?

北ヨーロッパの国々は、非常に意欲的だ。ノルウェー政府はノルウェー赤庶嘯?ハじて、年間200万ドル以上を北朝鮮に支援している。スウェーデンの対北支援の金額は、年間500万ドル水準だ。食品、医薬品、農村の保健所や学校の改良事業などに支援しているという。デンマークやアイスランドも似た水準だ。

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ノルウェーでは北朝鮮の若い技術者を招請して技術教育を実施しているが、技術教育の条件として毎月1回北朝鮮の技術者に対する人権教育プログラムを運営している。このような方法は結局、長期的な効果を狙うものだ。

北ヨーロッパの人々は北朝鮮が民衆蜂起によって、一瞬にして変化はしないが、北朝鮮体制の崩壊時に、改革に反対する位置にいない技術官僚を養成することが、意味ある投資だと思っているようだ。北朝鮮の変化に対して、アメリカの人たちは短期的な解決策に関心が高いが、北ヨーロッパの人たちは中長期的な対策に関心が高いと思う。

北韓人権市民連合は国際的な連帯を通じた北朝鮮の人権改善に、多くの力を注いでいると思うが。

人権運動というのは、一人一人の人権を全て大切にし、現在苦しんでいる人に、具体的な助けを与えるものだ。この間、国連総会で‘北朝鮮人権決議案’も作られたが、実際に北朝鮮の住民と脱北者の生活が画期的に変貌したとは思えない。

現場で人権侵害にあっている人にとって、実質的な助けになることが、人権運動の出発点にならなければならない。これが私たち’市民連合’の原則だ。私たちは国際連帯活動だけでなく、在外の脱北者や韓国国内の脱北者に対する支援活動、青少年に対する人権教育など、現場の活動にもより多くの力を傾けている。

ソウルに国連人権高等弁務官事務所を誘致しようという提案の背景は何か?

国連人権高等弁務官事務所は、全世界の8つの地域に事務所を設置しているが、‘北東アジア事務所’をソウルに誘致しようとしている。李明博政府に誘致活動の先頭に立つことを注文したい。北東アジア事務所がソウルに来れば、北朝鮮の人権運動のレベルでも大きく役に立つと思う。もし実現したら、人権先進国として韓国の位相を高めるだけでなく、北朝鮮を始めとするアジアの人権運動に、肯定的な役割を果たすことになるだろう。

政府組職の改編について、国家人権委員会に対する意見もまちまちだ。

国家人権委員会が大統領直属に改編される問題に対しては、慎重に接近しなければならない。この間、国家人権委員会が非常に方向性なく働いていたことは事実だが、独立性を認めることが望ましいと考える。独立性を与える方が、対外的なイメージもよいし、働く人たちのほこりと使命感も毀損されないだろう。

人権運動は国民よりもいつも一歩だけ先に進まなければならない。だが、国家人権委員会はこの間、あまりにも先に進みすぎた。この点は、新任大統領がきちんとした人事をすればよい。国家人権委がどのような組職体系を持たなければならないのかに対する論争よりも、国家人権委がどのような仕事をしなければならないのかが、より重要な論点だ。

新政府の対北政策の運営に対して助言をするとしたら?

今まで韓国政府の対北支援は、主に北朝鮮政府との‘直接取り引き’を通じて行われてきた。しかし、こうした‘直接取り引き方式’は、国際社会の対北支援の方向と様々な不協和音を引き起こした。新政府は今後、UNDPのような国際機関を通じて対北支援物資を送る方案を、慎重に検討しなければならない。

北朝鮮政府が支援物資の分配に関する国際機関のモニタリングを頑として拒否する理由について、国際機関の責任者たちは、“韓国と中国が北朝鮮政府と直接取り引きをしているからだ”と指摘してきた。’国際共助’は核問題のみならず、対北支援及び南北経協でも重要な原則にならなければならないだろう。