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“北朝鮮の人権を改善することは、困難ではあるが不可能なことではない”

3月に国連人権理事会に提出する報告書のための調査活動で、19日に韓国を訪問した国連のウイティット・ムンタボン北朝鮮人権特別報告官は、“北朝鮮は一言で言うと、非民主的なシステムを持った国”と規定した。

ムンタボン報告官は24日、デイリーNKとインタビューを行った。


[以下はインタビューの内容]

- 3月に国連人権理事会に提出する北朝鮮人権報告に、過去の報告書と異なる点はあるか?

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年2回、北朝鮮の人権状況に関する報告書を提出することになっている。3月には人権理事会に、10月には国連総会に提出する。類似点もあるが、国連総会に提出する報告書は北朝鮮の人権に関する全体的な分析が盛り込まれており、人権理事会に提出する報告書は特定の国家を訪問して作成している。今回の報告書には韓国や日本、モンゴルなど、アジアの3ヶ国で調査した内容が含まれている。

報告書を作成する時は、前半には肯定的な要素を既述し、後半で北朝鮮の人権の現実について説明している。

北朝鮮政府は去年、7月から8月にかけて洪水が発生した時、国連の食糧援助要員に協力的な態度を見せた。まずはこれについて既述するが、北朝鮮の人権について否定的なことを並べる時は、かなり多くの部分を割かざるを得ない。

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- 今回の訪韓では、特に韓国の脱北者の人権状況に関する調査も深く行ったと伺っている。脱北者は韓国でどのような状態にあると思うか?

以前来た時は、主にハナ院にいる、韓国に入国したばかりの脱北者たちに会ったが、今回は韓国で長い時間を過ごした脱北者に会って、非常に興味深かった。彼らの成功談を聞いてとても鼓舞された。ある脱北大学生は、現在大学に通いながら、NGOで奉仕活動もして、多くの隣人の役に立っている。脱北者たちには韓国社会に寄与することができる潜在力がある。

北朝鮮政府による拷問の犠牲者と、中国に長期間滞在した脱北者にも会った。この人たちにはより多くの支援(support)が必要だ。一人一人状況が違うので、それぞれの人に合った対応が求められる。また、韓国社会に定着した成功談を話し、未来に寄与するように勇気を与えることが重要だ。

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- 6ヶ国協議で日本人の拉致問題が議論されているように、韓国の国軍捕虜や拉致被害者、北朝鮮の人権問題も議論することができるという意見を明らかにされたと聞いている。日朝間実務会議のように、南北間でも人道問題に関する実務会議を開くことができるだろうか?

6ヶ国協議の窮極的な目標は、北朝鮮の非核化と核施設の閉鎖だ。そのため、6ヶ国協議に人権問題であまり負担を与えてはいけない。だが、6ヶ国協議が根本の主旨どおりうまく進んだら、その段階で他の問題を徐々に提起することができるだろう。

日本と北朝鮮が関係正常化問題と拉致被害者問題を一緒に扱っており、米朝間でも平和条約などの議論が可能ではないか。非核化の目標が推進されれば、他の問題も国際法に符合する線で、漸進的に話すことができるだろう。

- 韓国の次期政府が北朝鮮の人権問題を主に扱うと予想したが、北朝鮮との交渉の主体である政府が乗り出すことには限界があると思われる。韓国政府はどの程度の役割を果たせると期待するか?

人道支援においては、徹底的なモニタリングの下、条件なしの支援が続かなければならない。北朝鮮に対する開発支援問題は、継続して議論することができる部分だと思う。南北間には、朝鮮戦争による様々な問題がある。これまで水面下で扱われたこうした事案について、韓国政府がどのような立場を見せるのか、時間をかけて見守らなければならないだろう。

また、韓国は脱北者問題を無視することができない。彼らのための体系的な支援システムが必要だ。脱北者の成功談をたくさん知らせて、韓国国民が北朝鮮を理解することを助けなければならない。具体的な政策については、多様な可能性が開かれていると思う。

- 去年、北朝鮮政府は体制の弛緩現象を取り締まるために、公開処刑を頻繁に実施するなど、極端な統制政策をとった。北朝鮮政府の強化された住民統制政策についてご存知か?

公開処刑に関する報告を受けた。公開処刑は国際法に反する非常に深刻な人権問題の1つだ。その他、多様な人権蹂躪が北朝鮮国内で恣意的に行われている。

最近は、北朝鮮政府が50歳以下の女性は市場で商売できないようにさせる政策をとっているという情報も聞いた。配給システムが成り立っていない状況で、住民の生活はそれだけ困難になるだろう。このように、多くの住民が食糧と必需品の不足で苦しんでいる。

北朝鮮は資源の分配でも失敗している。あまりにも多い資源が軍備の増強と核開発に利用され、一般の住民に届かなければならない資源が効果的に配分されていないことを深く憂慮している。報告書ではこの部分を大きく取り上げて説明している。

- 国連の北朝鮮人権特別報告官として4年間活動なさっている。人権専門家として見る時、北朝鮮の人権問題の特徴について説明してほしい。

まず、北朝鮮の状況は政治的な脈絡から理解する必要がある。国家全体が閉鎖的で統制が強い上、エリート中心に体制が運営されている。住民に対する集団処罰が行われ、国が住民を脅威する状況が発生している。自分の意見を打ち明けたり、基本的な市民の自由を享受することができない。

これほど劣悪な状況で、北朝鮮の人権を改善することは困難ではあるが、不可能ではないと思う。食糧援助に関して、国連と話し合って協力する姿勢を見せたからだ。

だが、政治的権利については非常に難しい状況だ。言論・結社の自由など、民主主義で享受することができる権利は最初から存在しない。一言で言って、非民主的なシステムを持った国だと考えられる。