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2003年、韓国大邱で開催された夏季ユニバーシアード大会に派遣された北朝鮮応援団の姿。/写真=連合

北朝鮮は9月に開催される仁川アジア競技大会に選手団と応援団を派遣するとの意思を迂回的に示しているが、大会に参加する応援団募集を終了し、本格的な訓練に入ったと伝えられる。

平壌の消息筋は24日、デイリーNKとの通話で「韓国との実務接触が不調だとされるが、応援団は平壌体育館に集まり早朝から夜遅くまで毎日応援練習をしている」と話した。

消息筋によると、応援団は平壌の金星学院と全国の芸術専門大学及び奉仕機関から選抜された。具体的な応援団の規模については公開されていない。

2002年の釜山アジア競技大会に参加した北朝鮮応援団は、平壌限定で平壌金星学院、映画音楽舞踊大学、民族芸術団などの芸術分野で教育及び活動に従事する20代の女性から選抜された。当時、応援団選抜事業は中央党組織部幹部課で組織され、中央党本部青年事業部が募集選抜事業を担当した。

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消息筋は「応援団の場合、一般的に全ての律動と動作が完璧に一致するまで練習が行われる。動作がひとつでも間違うと一致するまで何度でも繰り返す。暑い天候のため体力が消耗し倒れる女性もいる」と説明した。

こうした北朝鮮式の一糸乱れぬ集団体操の強調は、集団的教養を注入することで思想の結束を図る狙いがあると解釈できる。応援団が韓国で多くの関心を集めるだけに、団結した姿を見せ、体制の優越性をアピールする狙いも含まれるものと思われる。

消息筋によると、北朝鮮当局は芸術分野で専門性に優れていても、貧しい家庭よりは幹部家庭など生活が豊かな家庭の女性を応援団に優先的に選抜したという。幹部家庭の場合、韓国の発展した姿を目の当たりにしても大して動揺しないだろうとの認識に基づくものと消息筋は説明する。

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応援団には保衛部傘下要員も含まれるという。「3人中1人は保衛部から派遣されたスパイ。こうした人物が一般女性に混じり同じ服装で訓練に参加している。応援団は全国から選抜され互いに初対面。(当局は)同じ学校出身の場合、別のグループに配属させることで保安を維持している」と消息筋は説明した。

応援団の日課は延々と続く反復練習だけではない。夜遅くまで実施される「韓国入国時の行動要領」に関する思想教育で一日が終わる。

消息筋は「応援団は歩き方からはじまり食事の作法まで教育を受ける。『食事中に音を立てるな』『スプーンをまっすぐに置け』という指示まで存在し、実戦練習を徹底的に行う。手を振る仕草など不自然でない行動方式も教育される。質問に答える人物を翌゚決めておき、笑顔で応対する方法など、決められた脚本通りに行動していないように見せるための訓練も受ける。女性を一人ずつ呼び他の女性の動態を随時報告するよう指示しているという。常時監視を行い離脱者が発生しないようにするためと思われる」と説明した。

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一方、朝鮮中央通信は20日、金正恩が「我が選手たちがアジア競技大会に参加することは、北南間の関係を改善し不信を解消する重大な契機」と言及したと伝えた。23日には祖国平和統一委員会が報道官談話を通し、選手団・応援団派遣の意志を再度強調した。

これについて高位幹部出身の脱北者は「北朝鮮は『元帥様(金正恩氏)が偉大な心で関係を解消しようと大会に参加する』のだと内部宣伝をしようとしている。また大会への派遣と関連し、再度実務接触を通し解決するという立場を遠まわしに表現したものと見られる」と分析した。