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北朝鮮の保安当局が最近、住民に対し脱北者の再入国を誘導しているという。内部消息筋によると、脱北者を故郷に戻らせる内容の保安署の告知と関連した人民班会議が実施されたという。

咸鏡北道の消息筋は14日、デイリーNKとの通話で「人民班会議では脱北した家族と万が一連絡がつけば『祖国と故郷、親兄弟を裏切ったとしても、祖国に戻ってくれば寛大に許すだけでなく、仕事に励めという意味でマンションと職場も斡旋する。全て将軍様(金正恩氏)の意思』と伝えるようにと話していた」と伝えた。

消息筋は「会議を実施したほとんどの人民班長は、現在再入国した脱北者に提供されたマンションと、彼らが教化所に連行されず生きていることを言及、住民に脱北した家族をここ(北朝鮮)に連れ戻せと誘導した」と話した。
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消息筋の発言によると、両江道恵山市でも咸鏡北道延社郡などで生活していた再入国した脱北者に対し、当局がマンションを提供した。しかし再入国した脱北者らは鉱山、農場などの過酷な仕事に就いており、住民の間では「革命化している」という話が出回っている。

「革命化」とは党の政策と路線、方針と指示に背いて行動した住民に対し、過酷な労働鍛錬とともに政治思想検証を強制するなど、思想改造段階と言える。

北朝鮮当局のこうした措置に対する住民の反応は様々だ。一部の住民は「家と職場を解決すると言っても、あんな社会(資本主義)を経験した人間は信じようとしないだろう。保安員らもその職責でなければ、我々と同じように恐らく心の中で(当局の)脱北者再入国誘導措置を嘲笑するだろう」と話しているという。

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また「電話は禁止しておいてどうやって話せというのか。あちら(韓国)と通話するのを統制しないわけにはいかないのか」と保安当局の指示を皮肉っているという。「通話して逮捕された場合、家族と連絡し祖国に戻って来るよう話せと言われたためと言えばいい」という反応もある。

北朝鮮は今年初め、「国家転覆陰謀罪」に該当する刑法第60条を改正し、「韓国などの外国との不法電話通話」など5種類の事項を追加。北朝鮮の住民は同条項と関連し上記のような反応を見せている。

一方、再入国した脱北者にマンションを無償で提供し、職場も提供するなどの北朝鮮当局の措置に納得する住民もいるという。

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代表的事例として2012年5月中旬、再入国後、平壌で息子とともに暮らしていた脱北者のパク・チョンスク氏がいる。パク氏に対し住民は「国と家庭を裏切った罪人のくせに将軍様の配慮で平壌で息子夫婦と一緒に暮らしている事実を見るだけでもよく分かる」という反応を見せることもあるという。

北朝鮮は金星恩体制発足後、住民の脱北を防ぐため検閲と取締り、国境統制を強化。一方で脱北者の家族を脅し脱北者の再入国を誘導してきた。今回の措置もその一環と見られ、脱北者の再入国時、体制の宣伝に活用する意図も解釈できる。

北朝鮮はこれまで再入国した脱北者らを朝鮮中央TV、労働新聞などの宣伝メディアに登場させ、「韓国で人間以下の扱いを受けた。南朝鮮社会という場所は人間の情なるものは一切存在しない冷酷な社会」という風に韓国社会を非難してきた。