国連人権理事会が北朝鮮に対し、政治犯収容所と出身成分に基づく処罰の廃止など人権状況の改善を要求したが、北朝鮮はこれを拒否した。
国連人権理事会は6日(現地時間)、スイス・ジュネーブの国連本部で開催された会議で、268件の勧告を盛り込んだ北朝鮮「普遍的定例人権検討(UPR)実務報告書」を採択した。
同報告書は1日、86の会員国が北朝鮮の全般的な人権状況を点検した実務会議内容に基づいており、9月に予定される第27回国連人権理事会会議で正式に採択される。
北朝鮮は今回発表された268件の勧告案のうち、83件については拒否の意思表示をし、残りの185件については「9月の人権理事会会議前に回答する」とした。ソ・ジェピョン北朝鮮ジュネーブ大使は今回の勧告に対し「共和国に対する誤解と偏見の産物」として拒否の立場を示した。
勧告案のうち、北朝鮮が拒否した項目は国際刑事裁判所との協力と連座制廃止、国連北朝鮮人権調査委員会(COI)勧告案の履行、国連北朝鮮人権特別報告官の訪問許可、政治犯収容所の閉鎖、成分に基づく処罰撤廃など。
特にCOI関連の事項に対しては、委員会の設立目的からが歪曲されており、認められないとする従来の立場を再度表明。政治犯収容所と出身成分に基づく処罰に対しても、北朝鮮では有り得ない事だと強く否定した。
UPRは193の国連加盟国を対象に毎年1月、5月、10月の三回にわたり、それぞれ14か国を選定し国家別の人権状況を点検する人権保護の取り組み。北朝鮮は2009年に1回目のUPRを受け、その後2回目のUPRが今年まで猶翌ウれていた。
クォン・ウンギョン北朝鮮反人道犯罪撤廃国際連帯(ICNK)事務局長は今回のUPR報告書と関連し、デイリーNKに「今回の勧告案は北朝鮮の人権状況に対し、全ての人権理事会会員国が具体的かつ明示的に北朝鮮に要請したもの。北朝鮮は2009年、UPR勧告案の全てを拒否したが、今回は185件について検討すると表明している。UPR勧告や国際社会の人権がらみの圧力に神経を使っている証拠。北朝鮮の友邦国ともいえるシリアまでもが勧告案発表の際に、北朝鮮が人権改善に向け努力すべきと指摘している。COIや特別報告官に対し『政治的謀略』と主張しているが、UPR報告書は北朝鮮が100%拒否することはできない人権メカニズム」と説明した。