金正恩体制の新たな権力者として挙げられる黄炳瑞(ファン・ビョンソ)労働党組織指導部第1副部長だが、軍隊での階級が「元帥」のすぐ下の「次帥」に高速昇進したことが確認された。15日に平壌で開かれた、第1次飛行士大会で大将に昇進してから10日余りしか経っていない。

朝鮮中央通信は28日、「黄炳瑞同志に朝鮮人民軍次帥称号が授与された。これと関連する労働党中央軍事委員会と国防委員会決定が26日に発表された」と伝えた。黄氏の次帥への昇進は党中央軍事委拡大会議で行われたものと見られる。

黄氏は昨年12月、張成沢処刑を主導する過程で金正恩体制で「新進権力者」として浮上。今年3月には労働党組織指導部副部長から第1副部長に昇進、主に軍部を管理してきた。

また金ヨジョンが公式に登場した最高人民会議代議員選挙当時、平壌の金日成政治大学投票場にも姿を現し、北朝鮮メディアにより「党中央委員会責任幹部」として紹介されている。

昨年には、金正恩の公開活動時、随行者名簿で崔龍海総政治局長の次に多く登場し、今年に入っては崔が公式の場への登場度が控えめななかでも、金正恩を持続的に随行していることが確認されている。

これらにより、一部では金正恩が黄氏を総政治局長に任命したのではとの憶測も提起される。総政治局長で「次帥」が2人いることはあり得ないため、本来次帥だった崔に代わり黄氏が任命された可能性も考えられる。

北朝鮮専門家はデイリーNKに「金正恩は張成沢を粛清後、パルチザン革命アイコンである崔龍海の失脚も可能ということを見せつける必要があったと思われる。それなりに基盤のしっかりした崔を権力の中心から排除する試みを図っているのでは。急な次帥への昇進は支持勢力のない黄氏に力を与え、自身の側近にしようという狙いがある。こうした過程を通し、金正恩は『(北朝鮮で)永遠なナンバー2はいない』というメッセージを軍部勢力に伝えようとしたのでは」と分析した。

世宗研究所のチョン・ソンジャン首席研究委員は「黄炳瑞が党中央委員会組織指導部第1副部長の肩書であるならば、総参謀長や人民武力部長より先に紹介されることはない。総政治局長を先に紹介してきた慣例から判断し、黄氏が崔龍海に代わり総政治局長職に任命されたか、人民軍総政治局長代行を務めることになったものと思われる。崔龍海は糖尿病による健康上の問題により、公開活動の回数が減っているため、職務をこなせないと判断したのでは。黄氏はこれまで党で軍部を管理してきたため、業務上の延長として総政治局長を遂行するうえで大きな問題はないと判断された可能性もある」と話した。