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朴槿恵大統領に対する北朝鮮の非難が日増しに強まっている。3月27日に「部屋の隅で出鱈目を話す田舎娘」「愚かな妄言」(祖平統報道官、朝鮮中央通信記者との問答)などの表現で朴大統領に対する名指しの非難を3ヶ月ぶりに再開。4月1日には「嫁にも行けなかった女」「奇妙な年増し処女」「汚物の如く吐き出した妄言」(労働新聞)などと朴大統領を性的に卑下する表現まで使用し始めた。

北朝鮮住民とのインタビュー形式を引用した朴大統領非難はさらに強烈だ。朝鮮中央TVは3月末から「報道(ニュース)」を通し、朴大統領非難インタビューを伝えている。4月1日には「朴槿恵女郎」「一文不通の狂女」「維新残党女」などの表現が見られ、2日には「汚い政治娼婦」「雌犬のような女」などの非難まで登場した。相手の国家元首に対する礼遇問題を論じる前に、人に対する最も基本的な礼儀すら守れていない。

北、朴大統領の対北政策に失望したか
北朝鮮が朴大統領に対しこのように無慈悲な暴言を吐く背景には、朴大統領への失望を表すものと見られる。李明博政権後半期、南北関係をほぼ諦めていた北朝鮮としては朴槿恵政権の対北政策に対しては現在まで大なり小なり期待を放棄してこなかった。朴政権発足初期、対南挑発威嚇を持続しつつも、朴大統領個人への攻撃は自制していた。それは朴大統領が主張する「朝鮮半島信頼プロセス」が李明博政権の対北接近法とは何か違うのではとの期待にもとづく側面もあった。

しかし、朴大統領が執権して1年余りが経過し、その対北政策は北朝鮮の非核化を最も根本にするとの点が明らかになった。より厳密に話せば、朴大統領の北核破棄原則が時間の経過とともに確実になったというよりも、北朝鮮がやっとこの原則を理解するに至ったと見るべきだ。

朴大統領の「北核破棄」原則を確認するや、北朝鮮としては朴政権に期待することが難しくなった。核と経済建設の並行路線を掲げる北朝鮮と、朴大統領の「北核破棄」政策は両立不可能なためである。結局、北朝鮮は最近に入り朴大統領への露骨な実名を挙げての非難を続けることで、朴政権への期待を手放し、相手にしないという意志表示をしているように見られる。

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朴大統領への度を超した「人身攻撃性非難」
しかし、そうだとしても朴大統領に対する人身攻撃的な非難は度を超えている。これは国家間の礼儀は二の次とし、外交政策の主体としての北朝鮮の国益とも関係する問題だ。国家間で様々な利害関係が衝突するにもかかわらず、直接的な非難よりも多少曖昧な外交的修辞が動員されるのは、今後の国際情勢の変化がどう流れていくか分からないとの認識があるためだ。現在は敵対的な間だとしても、国際情勢の変化により相手国が我々に必要な存在となることもある。国際情勢は永遠の敵も永遠の同志もない。そのため国家は感情的になることなく理性的に行動することが求められる。

朴政権の任期は現在1年余りが経過し、まだ4年近く残っている。北朝鮮が今は朴政権を断じて相手にしないようでも4年という長い時間の間に、朝鮮半島情勢がどう変化するかは誰も分からない。北朝鮮の政治的要求により朴政権との接近が必要になる時期が来る可能性は十分にある。国際情勢のこうした可変的な状況を考慮するなら、北朝鮮は朴大統領の非難において越えてはならない線というものがある。朴大統領に人間的な侮蔑感と裏切りを感じさせてはならない。

金正恩体制の「不安定性」が依然と提起される理由
金正恩体制の安定性に異常があるとの兆候が特別に見えていないにもかかわらず、同体制の不安定性に対し考慮せざるを得ない背景には、まさに現在のような即興性が存在するためである。北朝鮮の行動を見ていると、政権を運営していくうえで政治上の安定性というより、その時々の気分次第で即興的に可変的に行動しているという印象がぬぐえない。朴大統領に対する低級な暴言非難がむしろ金正恩体制の政権運営能力に対する疑問へとつながるのはこのためである。