北朝鮮は最近、キリスト教を住民に紹介したとの理由で中国にいた華僑2人を誘引・拉致、平壌に強制送還したと伝えられる。北朝鮮当局は彼らのほかにも、中国に行った華僑のうち、関連性が疑われる者を送還するために北に残った家族を懐柔・脅迫していると消息筋が2日、伝えてきた。
   
平安北道新義州の消息筋は同日、デイリーNKに「最近、中国にいた華僑2人が逮捕され平壌に送還された。この二人は教会(キリスト教)を紹介する活動を行ったことが逮捕の原因であると貿易商人の話を介して奄ウれている。(当局は)教会と接触した住民を反革命分子として処理する状況を考慮し、紹介活動をする人物も見逃してはいけないと考えた模様。中国にいたとしても新義州などに誘引すれば逮捕が可能なため、今後も華僑が逮捕され送還されるだろう」と心配そうに話した。
 
北朝鮮のこうした措置は最近、親戚訪問目的で中国に行き韓国人と接触したり、キリスト教教育を受けた疑いがある住民を召還・調査していることの延長線上と見られる。キリスト教の布教や「アレルギー」反応を見せている内部情報流出が体制不安要素として作用すると判断、事前にこれらを徹底的に遮断する狙いがあるものと思われる。
 
消息筋によれば、北当局は中国現地の華僑を帰国させるため、北に残った家族を利用しているという。「急用が生じたから帰って来い」というように懐柔・脅迫している。華僑を中国で逮捕し送還する場合、外交的問題に発展する可能性があるため、家族を人質にして華僑が帰国せざるを得ない状況を作っている。
   
北当局はまた、家族以外にも華僑を帰国させるために面識のある貿易業者などを利用、ビジネスと見せかけて北朝鮮に引き寄せ逮捕する方法も動員していると消息筋は説明する。
 
中国現地の消息筋もこうした事実を確認している。「中国に来て幾日も経っていない華僑らが突然姿を消した。北朝鮮に逮捕され送還されたと奄ウれている。この奄?キいた華僑らは韓国人との接触を自制し、連絡も控えている。保衛部の要員が私用訪問の住民と華僑を監視するため、追加派遣されたとの奄烽る。彼ら(保衛部)は華僑が韓国人と会って『情報を流していること』を監視する目的で、食堂などで動向を監視しているらしい」(中国現地消息筋)
デイリーNKは先月20日、北朝鮮では韓国人宣教師の記者会見以来、連日講演会が組織され、「不純な思想に染まってはいけない」との住民教養が実施されており、中国で韓国人と会ったりキリスト教と関係を持った住民30人余りが、政治犯収容所に連行されたと伝えている。