北朝鮮は、2012年10月の最高人民会議で決定した「全般的12年制義務教育施行」を来月1日以降施行本格的に施行する予定だが、新学期を迎えた生徒らは1人当り25ドルから85ドルが必要だという。
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慣行的に学校に納付する「教室整備資金」はもちろん、制服も新たに購入しなければならず、「その日稼ぎ」の住民には負担が大きい。そのため、新学期開始前から進学を諦める生徒もいる消息筋が31日、伝えてきた。
当初、12年制義務教育は昨年(2012年)10月以降の施行予定だった。しかし、教師補充問題と経済難による予算不足により、6ヶ月遅れることとなった。
12年制義務教育は「幼稚園年長組1年」「小学校5年」「初級中学校3年」「高級中学校3年」となる。従来4年制だった小学校を5年制に変更した。また、「6年制中学校」は初級と高級中学校の二つに分けられた。
平安北道の消息筋は同日、デイリーNKとの通話で「昨年8月から始まった小学校、初級中学校、高等中学校の再編成事業が今年3月に終わった。「教室整備資金」として学生1人当り最低5ドルが税負担として課される。
12年制新学期を迎え、教科書は以前とは違い今回は全て支給された。しかし2年周期で支給される制服規定のために、今年の制服を受け取れない学生の多くは、市場で一番安い3、4ドル(約2万5000北朝鮮ウォン)の制服を購入しなければならない。
学生靴は7ドル、カバンは10ドルなどと新学期の準備で最低25ドルは必要。北朝鮮でも新入学となれば、子どもたちに「新しい物」を持たせたい親心だが、同時に経済的負担にもなる。
こうした「新義務教育特需」を狙った商人は繁盛して「1年間の農業分が儲かる」と話した。
金日成時代は「贈り物」という名目で学生に制服が無償支給された。「苦難の行軍時期」にこれが中断され、2000年代中盤以降は制服を国政価格で定め販売する形式となった。
2年周期で制服を支給するとの規定により、制服を受け取れない学生は個人的に制服を準備しなければならない。一般住民にとって米6キロが買える制服代は経済的負担が大きすぎると消息筋は指摘する。
一方、総連機関紙の朝鮮新報は24日、「全国の小学校、中学校、大学に入学する新入生に制服を支給するという国家的国zにより、制服の生地生産に力が入れられている」と伝え、制服を無償支給すると宣伝している。
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一般的に学制再編成以前は一つの地域(3、4の洞)に居住する生徒は一つの学校で小学校と中学校課程を修了する。しかし一つの地域の学校が単一学校(小学校または中学校)に再編され、学生たちの通学路が混雑するようになった。?
消息筋は「学校の分離により通学路が混雑するようになった。通学距離が遠くなった学制は親に自転車を買ってくれとせがんでいる。20里(8km)を超える距離を通学する子どもを心配し、稼ぎのある親は60ドルの中古自転車を買い与えている。一般家庭の新学期費用は85ドルまで跳ね上がった。これらの負担のため、一日三食もまともに食べられない学生は進学を諦めており、教師らも気を揉んでいる」と話した。