韓国と北朝鮮は5日、板門店の北側地域にある「板門閣」で行われた赤十字実務接触を通し、今月20~25日に離散家族再会行事を金剛山で開催することに合意した。両者の合意により、201010月に同事業が中断されて以来34ヶ月ぶりの再開となる。

 

南北代表団は同日午前10時から全体会議2回、首席代表会議3回の計5回の接触を通し、離散家族再会に対する各自の立場を伝えたほか、行事の開催時期を集中的に協議。今回の合意に至った。

 

再会団の規模は南北それぞれ100人で、対象者は昨年に秋夕離散家族再会行事を控え両者が交換した名簿に基づくことにした。再会場所は離散家族面会所と金剛山ホテルとし、韓国側離散家族の宿所は金剛山ホテルなどが準備される。両者は現地施設の点検のため、7日以降施設点検団を派遣することを決定。再会開始5日前には先発隊を現地に派遣することにした。

 

同日実務接触では、韓国側北側昨年離散家族再会合意破棄したことに遺憾を表明したと伝えられる。韓国側は昨年のような事態の再発防止を要請し、北側もこれに応じたと韓国統一部は説明した。

 

また、離散家族問題の根本的解決及び拉北者の生死確認なども提起したと伝えられる。南北は再会行事の開催後に赤十字実務接触を開催し、こうした問題を含む人道的問題の解決に向けた協議を続けていくことに合意した。

 

南北代表団が合意した再会行事時期の後半部は米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」期間と重なる。このため北側が再会行事の開催に同意した背景が注目される。当初、北側は今月末に実施される米韓合同軍事演習の中断を継続して主張してきたため、同演習が終了する3月以降に再会行事の時期を延期するのではとの推測が出ていた。

 

同日の実務接触開始前から両者は再会行事に積極的な姿勢を見せ、肯定的な結果が期待されていた。北側首席代表のパク・ヨンイル朝鮮赤十字会中央委員会中央委員は、全体会議の全ての発言で「先日立春を迎えたがまだ冬の寒さは厳しい。北南関係改善の暖かい春風をもたらすのに我が赤十字団体が先頭に立たなければならないと考える」と述べた。

 

これに対し韓国側首席代表のイ・ドッケン大韓赤十字社実行委員は「再会を待ちわびる離散家族に朗報を伝え、南北関係において相互に信頼を築き協力する契機となるようともに努力していこう」と述べた。