北朝鮮が、最近、南北関係改善を促し“平和攻勢”を継続して行っている背景に、南北関係改善を通じ経済的問題を解決するための戦略があると考えられる。南北関係の改善を正直に求めているというより、経済的支援を得るための対話であると指摘される。


北朝鮮は、去る16日国防委員会を通じ「今月31日を契機に、相互誹謗中傷を中止しよう」という“重大提案”をした後、18日には「南北関係の改善に対する意志が直接見えるであろう」と主張した。引き続き20日にも、労働新聞を通じ、国防委の“重大提案”の受容を重ねて促し、対南柔和策を行なっている。


しかし韓国政府は、北側のこの主張に対し“偽装平和攻勢”と一蹴した。海外巡回中のパク・クネ大統領は、去る18日(現地時間)国防省など外交安保関係省庁の長官に「北朝鮮がこのような宣伝攻勢をする時は、なおさら対南挑発に備える安保態勢に万全を期すように」と指示をした。


キム・イド統一省スポークスマンは、20日定例ブリーフィングで、北朝鮮の誹謗中傷中止に関する主張について「誹謗中傷をしているのは北朝鮮」、「(北朝鮮が言及したとおり)旧正月まで待つ必要はなく、今すぐにでも誹謗・中傷を中断すべし」と指摘した。これは北側の真実なる行動が先行されるべきだということである。


政府が、北朝鮮の真実性を疑うのは、実際に北朝鮮が年初毎、対南平和攻勢を述べながら“挑発→緊張高調→脅威”をこれまで繰り返して来たからだ。北朝鮮は、昨年の新年辞でも融和的な態度を取ったが、それ以後“2・12第3次核実験”、“停戦協定白紙宣言”、“開城工団勤労者撤収”などを行い朝鮮半島の緊張を高めた。2010年年初にも対話攻勢をしながら、天安艦爆沈、延坪島挑発を起こし、南北関係を最悪の状況にまで駆り立てた。


政府が、事実上国防委の“重大提案”を“偽装平和攻勢”で一蹴・拒否したうえでも、北朝鮮が連日“対南平和攻勢”を続けるのは、南北関係改善に積極的に出るしかない状況に直面しているからだと専門家が分析する。朝中経済協力が収縮し、海外資本の投資がない状況で経済の正常化のためには、南北関係改善しかないという計算による対話攻勢だという。


呉ギョンソプ世宗研究所研究委員はデイリーNKに「経済的問題を解決する突破口を見つけられない状況で、経済を正常化させるために南北関係改善に積極的な態度を見せている」、「南北関係改善を通じ、対北支援・南北経協活性化から出口を見つけようとしている」と述べた。


また、南北関係破綻の責任を韓国政府に押し付け、対南挑発に対する大儀名文を作るための戦略的な接近との観測ある。パク大統領が海外巡回中、外交安保部諸長官に「対南挑発に徹底的に備える安保態勢に万全を」と指示したことも無関係ではない。


北朝鮮は、一方では南北関係の重要性を強調しながら、年例の“韓米合同軍事訓練”を「平壌打撃を狙う最大規模の戦争演習をどうして『防御的性格』だと言えるのか」と訴えながら「我々に対する露骨な挑戦で挑発」と脅威している。


ある対北専門家は「北朝鮮がこれまで“対話平和攻勢後挑発”、挑発後対話平和攻勢”のパターンを繰り返して来た。今後の挑発有きと見るべきだ」、「南北関係破綻の責任を韓国に着せるためであって、韓米連合訓練を前後に敢行するかもしれない対南挑発に対する大義名分を蓄積しているのであろう」と言う。