北朝鮮は、今年、金正恩新年辞貫徹のため、堆肥増産運動に住民を大々的に動員している。張成沢処刑前後にもなかった市場統制が行なわれていると伝わった。北朝鮮政府の市場統制で住民が物価の上昇を憂慮していると消息筋が伝える。


北朝鮮両江道消息筋は、13日デイリーNKとの通話で「最近になって住民は夜明けから午後遅くまで堆肥生産に動員され、市場の門は開かれていない」、「去年は集団で堆肥搬出をしてからは、ほとんどの世帯では順番に課題を現物(堆肥)や確認書を納めれば良かったが、今年は堆肥集めなどを集団で行ない住民が困っている」と伝えた。


引き続き消息筋は「堆肥生産で、長い間市場が開かなかったら物価が上がることに繋がり、副食物用意ができない住民は心配が絶えない」、「叔父(張成沢)の粛清でも市場が正常だったし (政府から) 配給が出るという話を信じてきた住民が、急に市場統制されに荒てている」と付け加えた。


さらに彼は「堆肥ができる材料が制限されている中で、毎日村を徘徊しながら堆肥を集めることは酷い侮辱モンだという陰口も聞こえる」、「一部住民は『堆肥課題に新年辞学習もすべて苦手』と露骨に不満を言ったりしている」という。


消息筋は、堆肥生産のための市場統制は、去年が豊作で生産高が少し増えたことで刺激を受けた北朝鮮政府が、住民を積極的に動員し今年にも農業発展に対する成果を出そうとしていると説明した。


彼は「元首様(金正恩氏)は、新年課題で農業部門を一番先に提示し、朝鮮農業勤労者同盟尾員たちの決起集会でも、生産闘争が強調されている」、「農業の一番の基本と言える肥料が不足な状況だから、住民に堆肥を用意する課題を与え成果を大きく出そうとしているのだろう」と言った。


同時に消息筋は「市場を閉めているが米と副食物価格の変動はあまり大きくならず、米は先月と同じ4000台中・後半で取引きされている」、「新年を迎え配給を受けられなかった住民が多い状況で、市場統制が長びく場合『急に物価が上がることもありえる』と憂慮の声もある」と伝えた。


一方デイリーNKは、10日北朝鮮政府が新年に入って去年収獲された米を平壌労働者たちに配給したが、地方労働者には未だに配給しておらず地方のあちこちで不満の声が出ていると伝えている。