バンコ・デルタ・アジア(BDA)問題をめぐるアメリカ政府の主張と異なり、北朝鮮にはドル貨幤の偽造紙幤を製造する能力も、製造した事実もなかったと、香港のサウスチャイナモ<jングポスト(SCMP)が14日に報道し、波紋が広がっている。
SCMPはアメリカのメクレチャ-トリビューン紙に掲載された北朝鮮のスーパーノート製造疑惑に対する追跡記事を転載し、本物のドル貨幤とほとんど同じ偽造紙幤を製造する能力を、北朝鮮は持つことができなかったと伝えた。
アメリカは相変らず北朝鮮の偽造紙幤の製造容疑を裏付けることができる具体的な証拠を提示できず、アメリカの提示した嫌疑の相当部分は、脱北者によって構成された ‘韓国の専門家’から出たものと述べ、最近のこうした脱北者の証言も疑わしいという。
北朝鮮の偽造紙幤に対する嫌疑は、製造と流通の2つだ。SCMPは北朝鮮の製造能力を疑い、アメリカの証拠の不在を指摘して、むしろCIAなどが偽造紙幤の製作に関与した可能性を持ち出した。
北朝鮮のスーパーノートについては、去年1月にドイツの有力日刊紙、フランクフルト・アルゲマイネ・チャニトンがCIA介入説をあげた時も話題になった。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面これに対して、アメリカ国務省の諮問官を歴任したデビッド・アッシャー(David Asher)博士は、“アメリカの偽造ドル貨幤製造陰謀論は、北朝鮮の情報機関が宣伝する内容のように根拠がなく、荒唐な内容”と言い、“アメリカ法務省は北朝鮮政府が‘スーパーノート’を製造したという嫌疑で北朝鮮政府を告発し、非常に具体的な嫌疑の内容を記した証拠文書を大陪審に提出した”と語った。
アメリカ議会調査局は、去年作成した’北朝鮮のアメリカ貨幤偽造’という報告書で、”北朝鮮政府が相変らず100ドルの偽札を作っている”と指摘し、”現在、全世界に4500万ドルの偽札が流通しており、北朝鮮政府はこれにより、年間2500万ドル程度の利益を得ている”と伝えた。
この報告書によると、実際に2005年8月にアメリカの司法当局がニュージャージー州とカリフォルニア州で、中国系の犯罪組職を取り締まった時、北朝鮮産の100ドルの偽札400万ドル相当を押収した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮が偽造紙幤を流通させてきた証拠は、国内外のメディアを通じて何度も指摘されている。デイリーNKも2006年1月と8月の2回、中国の丹東で北朝鮮の政権機関の貿易事業所の職員から、直接偽造紙幤を購入して公開し、現在もこれを保管している。
当時、偽造紙幤を鑑識した外換銀行本店の偽造紙幤鑑識担当者は、“これ程精巧な偽造紙幤の製造は、一定規模以上の工場と施設が必要であるため、国家レベルで製作している可能性が非常に高い”と語った。
ソウルのヤンチョン区に住む脱北者のチョン某氏(36)は、“北朝鮮では偽造紙幤が非常に沢山出回っているのが現実で、その多くがここで報道されているスーパーノートであるということは、かなり多くの脱北者が知っている事実”と言い、“北朝鮮の官吏の10人に1人は内部で偽造紙幤を製造して外部に売っていると信じている”と語った。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮と貿易をしている中国の貿易業者も、北朝鮮の貿易業者から偽造紙幤購入の提案を受けた経験があるという。彼らが語る規模は、数千ドルから数万ドルにのぼる。こうした内容は、中国の丹東や延吉の中朝貿易業者に会えばすぐに確認することができる常識になっている。
アメリカが北朝鮮との偽造紙幤に関する交渉で、どの程度具体的な証拠を提示したのかは知られなかった。だが、北朝鮮政府の役人が、偽造紙幤を流通させて摘発された事件と、北朝鮮の住民や貿易業者の証言、彼らの偽造紙幤の取り引き規模と行動を見る時、北朝鮮政府の偽造紙幤製造の嫌疑も相変らず有力視される。