イランが最近、国連安全保障理事会常任理事国及びドイツ(P5+1)間の核交渉が妥結したことを受け、北朝鮮の核問題にどのような影響が及ぶかに注目が集まっている。
今回の核交渉妥結により、各当事国は国連安保理及び西側諸国の対イラン制裁の緩和、核プログラムの中断(モラトリアム)に合意した。今回の合意はイランがウラン濃縮比率を現行の20%から5%に下げる場合、米国などの西側諸国はイランの合意履行の代価として対イラン制裁を解除し、60億~70億ドル規模の経済的利益を獲得可能にするとの内容が主な骨子となっている。
これと関連し、米国務省のケリー長官は24日、CNNに出演し「イランは核兵器拡散禁止条約(NPT)加盟国であり、核交渉に参加してきた。また視察も毎日受けることにした」と説明したうえで「北朝鮮とイランは違う。イランの核問題は北朝鮮の核問題のようにはならない」と話した。
このように制裁圧迫を受けてきたイランが今回の核交渉に応じたことで、その間、イランと核コネクションがあった北朝鮮の孤立が深まる可能性がある。「不良国家」のひとつの軸を担当してきた「イラン」の転向的な態度変化により、国際社会は今後ますます北朝鮮の核問題解決に積極的に乗り出すことも予想されるためである。
しかし今回のイランと西側諸国間の合意内容と関連し、北朝鮮の核をめぐる6カ国協議の枠組みの中の2005年9.19共同声明ならびに2007年2.13合意などと同様、イランが実際に行動を起こさず国際社会の支援のみを受けるのではという疑念が生じている。イランが北朝鮮のように一時的なまやかしで制裁を解除させた後、裏では核開発を続けるのではとの指摘である。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮も今回のイラン-国際社会間の核問題妥結により、心理的な圧迫を受けることが予想されるが、従来の核戦略を固守するものと思われる。執権2年目の金正恩政権は核・経済並行路線を表明し、核保有国の地位認定を主張している。実際に最近、日米韓、中朝間の非核化をめぐる6カ国協議関連のクロス接触があったが、北朝鮮は非核化措置を先行させる意思がないと知られる。
これらと関連し、世宗研究所のムン・スンボ研究委員はデイリーNKに「北朝鮮は理念的同志として想定してきたイランが、核問題において先に国際社会と対話と協力の方向に進んだため、6カ国協議に対する圧迫とともに孤立しかねないという不安も抱いている。しかしイランでは外交政策の決定は大統領ではなく『最高指導者』が行うため、その間固守してきた核関連の立場を転向的に変更することはできないのでは。国際社会は北朝鮮がそうであったように、イランが『時間稼ぎ』戦略を駆使しているのではないか徹底して検証する作業を先行させる必要がある。北朝鮮はイランが自国の戦術をベンチマーキングしたと判断し、今回の合意を全く気にしていない可能性もある。今後、6カ国協議再開に向け圧迫を加えることも想定されるが、北朝鮮は核保有国を主張しつつ『核軍縮』会談を提議する従来の姿勢を変えない可能性が高い」と分析した。