北朝鮮の富裕層女性の間で、美容や外見への関心が高まっていることが分かった。若年層では体型維持のためのダイエットが流行し、中年層ではしわ改善を目的とした美容施術に資金を投じるなど、世代ごとに異なる「美意識」が広がっているという。

先月19日、デイリーNKの内部消息筋が明らかにしたところによると、40~50代の富裕層女性の間では、筋肉を弛緩させてしわを目立たなくする効果があるとされるボトックス施術が流行しているという。

北朝鮮の美容ブームを巡っては、こんなエピソードもある。

韓国紙・東亜日報記者で、脱北者出身のチュ・ソンハ氏が自身のYouTubeチャンネルで、北朝鮮の金正恩総書記が、同国の高名な美容整形外科医2人を処刑させたとの脱北者証言を紹介している。この出来事を巡っては平壌でも、ある種の「噂」が囁かれていたという。

証言したチャン・ヒョク氏によれば、医師らが銃殺されたのは2018年のことだ。当時、住んでいた地域の人民班(町内会)から回覧板のような形で、「医師の〇〇〇、〇〇〇らから被害を受けた者は申告せよ」との指示が回ってきた。チャン氏はそれを見て、「彼らの『罪状』を束ねて、処刑の口実にするのだな」と察知した。

同氏によれば、そうして告発された医師は5人で、うち2人が銃殺となり、ほかの3人は教化所(刑務所)か管理所(政治犯収容所)に送られたもようだという。

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気になるのは、金正恩氏が医師らを銃殺させた理由だ。当時、平壌市民の間では「王族の手術に失敗したのではないか」との噂が囁かれたという。「王族」とはほかでもない、金正恩ファミリーのことだが、真偽は不明なままだ。

一報、北朝鮮当局が当時、美容整形を「資本主義の影響」として問題視していたとの情報もある。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の同年11月の報道によれば、それまでは平壌の一部の女性の間で流行していた美容整形が、しだいに全国に拡散。当局は「腐って病んだ資本主義の退廃的な文化を持ち込み、わが国の社会を蝕む行為」だと非難し、厳しい取り締まりを予告していたという。