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北朝鮮両江道の大紅湍郡でジャガイモの収穫が真っ只中にあるなか、毎年、動員された住民には新ジャガイモが配給されていたが、今年は教師を除き一切配給が行われない予定であると伝えられる。大紅湍総合農場で収穫中のジャガイモをはじめ、加工されたでん粉のほとんどが平壌に供給される方針であるとされ、現地住民は今冬の食糧を心配していると消息筋が伝えてきた。

両江道の消息筋は1日、デイリーNKとの通話で「毎年ジャガイモ堀りが終わると、動員された住民には1、2か月分のジャガイモが配給されていたが、今年は『配給はない。期待するな』と職場で通知があった。また、今年は教師だけにジャガイモ配給が実施されるため、一般労働者の家庭では今から冬の食糧を心配している」と伝えた。

さらに消息筋は「辛うじて穏やかな顔をしているのは教師がいる家庭で、一般住民は『カラシナキムチも漬けられるか心配』と心中穏やかでない。昨年は二か月分が配給され、キムチ漬けと食糧備蓄に多少は役立ったが、今年は供給が全く無いとなるとキムチ漬けは無理だろう。毎年、両江道の住民はジャガイモ掘りに20日から長くて一ヶ月程度動員され重労働を強いられてきた。ジャガイモの配給を慰めに我慢して働いたが今年はそれすらない」と付け加えた。

消息筋によれば、今年の大紅湍郡と白岩郡のジャガイモの作況は昨年に比べ豊作であると予想される。それにもかかわらず、平壌に供給予定のジャガイモでん粉の加工に収穫された新ジャガイモのほとんどが消費されるため、一般家庭には配給が実施されないという。

消息筋は「平壌の玉流館と清流館などではジャガイモでん粉で麺を製造するため、ジャガイモでん粉を独占しているとされ、『平壌の人間だけが生きて、我々は死ねというもの』とあからさまに抗議する住民もいる。また『一般の百姓が当局の配慮を期待すること自体が愚かなことだが、今のような時期は元帥様(金正恩氏)の関心が寄せられる職業(教師)を持つ家族が一人はいなければならない』と話したりもしている。秋になれば少量のジャガイモ配給でもあるかと内心期待していた住民の顔からは、笑顔が消え去るほど憂鬱な雰囲気」と現地の様子を紹介した。

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北朝鮮が教師に限りジャガイモを配給し国家的配慮だと宣伝するのは、昨年9月の最高人民会議で「全般的12年制義務教育」法令を制定し、法令7項で「教員と教育科学研究部門研究者らが安着して働けるよう生活条件を責任を持って保障する」との方針を立てたことによるものと思われる。

一方、労働新聞は1日、大紅湍郡のジャガイモ収穫のニュースを伝え、住民の食糧問題を解決するうえでジャガイモ生産を革命的に発展させる必要があると宣伝した。特に同紙は「ジャガイモ農業で革命を起こし食べる問題を解決しようとすることは、我が党が打ち出した重要な方針である」とする金正日の指示を紹介した。