北朝鮮最大の政治イベントである朝鮮労働党第9回大会が平壌で開幕し、金正恩総書記は開会演説で経済的成果を強調するとともに、「核保有国」としての国家的地位を前面に押し出した。体制の安定と国威発揚を演出し、国内結束を固める狙いは明白だ。
しかし、こうした公式メッセージを、北朝鮮国民は冷静かつ厳しい目で見つめている。たとえば2023年に開かれた党中央委員会総会拡大会議では、穀物増産が主要議題となり、金正恩氏も「穀物生産目標の必達」を強調した。しかし、4日間に及ぶ会議にもかかわらず、抜本的な対策は示されず、住民の間にはむしろ失望感が広がったという。
咸鏡北道のデイリーNK内部情報筋は当時「これだけ会議をして、結局は精神論とスローガンだけ。やはり、もうだめだという声が多い」と語った。
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国営メディアは会議の成果を大々的に宣伝し、各地で政治講演会まで開いたが、「ヘクタール当たりの収穫量を増やせ」「新しい機械を農村に送れ」といった指示は、現実から乖離しているとの反発が強い。肥料や農機具といった基礎的資材が不足する中で、数字だけを求められても、住民には空虚に響く。
春窮期を迎える今、すでに絶糧世帯が急増し、餓死者の発生も伝えられる。華やかな大会演出と裏腹に、生活の現場は切迫している。「やっている感」だけの政策とプロパガンダは、もはや住民の心を動かさない。党大会がいくら国家の威信を誇示しても、日々の食卓が満たされなければ、その言葉は空虚に響くだけである。
果たして今大会に対しては、住民からどのような評価が聞かれるだろうか。
