米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)は2月5日、北朝鮮当局による厳しい取り締まりにもかかわらず、国内での薬物汚染が深刻化し、主婦や青少年にまで広がっていると報じた。薬物はもはや「生活必需品のように受け止められている」との証言も出ている。
北朝鮮の刑法206条(非法アヘン栽培・麻薬製造罪)と208条(麻薬密輸、取り引き罪)の定める最高刑は死刑だ。そうでなくとも金正恩総書記は、薬物犯罪は「人々を精神的・肉体的に堕落させた反国家行為」だとして取り締まりに力を入れてきた。2022年には、咸鏡南道(ハムギョンナムド)咸興市(ハムン)市の東興山(トンフンサン)区域に住むある女性経営者が、秘密の薬物工場を運営していたとして、金正恩氏の特命を受けた国家保衛省により処刑されている。
しかしこの取り締まりに関しては、市民から不満の声が上がった。
(参考記事:「銭湯で男女入り乱れ」北朝鮮高校生らの禁断の行為)
「逮捕された人々はほとんどが一般住民で、幹部は(摘発を)免れている」
「(当局が)力のない一般住民だけを逮捕して、処罰すると脅迫しているのは情けない」(会寧市民)
当時、現地で薬物取締の特命を受けた82連合指揮部が立ち上げられたのは、地域の安全部(警察署)、保衛部(秘密警察)と地元住民が癒着しており、違法行為の効果的な取り締まりができないことから、地域に縁故のない人員を送り込んで摘発するためのものだった。
しかし時が経つにつれ、82連合指揮部のワイロで骨抜きにされつつあることが伝えられている。彼らがいかにして生活を成り立たせているかについては知られていないが、充分な配給や月給が受け取れておらず、ワイロを受け取って暮らしている様子がうかがえる。
(参考記事:北朝鮮・非社会主義取り締まり組織の幹部、収賄で摘発)