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北朝鮮が39年ぶりに「党の唯一思想体系確立のための10大原則」を修正した。これを受け最近、全住民を対象に修正後の10大原則に沿った生活総和と反省文提出が強制されているという。体制への忠誠心が低下した住民の思想統制を強化する目的で修正が行われ、こうした総和が実施されていると消息筋は説明する。

平安北道新義州の消息筋は23日、デイリーNKとの通話で「最近、中央党から変更後の『10大原則』に沿った総和を実施せよとの指示が下された。当局では10大原則に従い現在までの生活の全てを反省せよという生活総和を強要している。今回の総和は『保衛事業』『遺訓貫徹事業』『組織生活』『家庭の革命化』など、4つの項目に分け詳細に作成するよう要求している。(党は)全ての過ちが明らかになるまで行う嵐閧ニ予告した」と伝えた。

消息筋によれば、「保衛事業」とは金日成-金正日の肖像画及び肖像バッジ、油絵など、金氏一家の偶像化作品を丁重に扱ったかに対する総和のことで、「遺訓貫徹事業」は党の基本スローガン及び「1号マルスム(金正恩など最高指導者の言葉)」などに沿って行動したかを顧みることだという。

また「組織生活」は自身が属する団体でどのような観点で分業遂行したのか、「家庭の革命化」は親子間で相互にどの程度、党の要求に沿って関係を維持したかをそれぞれ評価する。

消息筋は北朝鮮当局のこうした動きについて、修正された「10大原則」を通し金氏一家に対する忠誠を誘導するのが目的であると分析。北朝鮮社会を実質的に動かす10大原則の改正であるだけに、これにより金正日時代からの世襲に対する正当性を住民に強要する目的があるとの指摘だ。

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彼は「90年代の『苦難の行軍』後の10大原則を土台とする『2日及び週生活総和体系』は有名無実と化して久しい。自身の過ちを大衆の前で公開批判することも、書信と電話で代替されることがあった。党指導員は『他人の過ちを見て見ぬふりすることなく、知っていることは迄Iせよ』と話していたが、こうした指示が住民に影響を強く及ぼせなかったようだ。『党に対する忠誠心』は昔の言葉。皆適当にやり過ごすことが増えたため、10大原則を修正し住民に対する思想統制を強化している」と説明した。

ラジオ・フリー・アジア(RFA)も20日、アジアプレスの石丸次郎大阪代表の発言を引用する形で同事実を伝え、「(これは)一般住民に『金正恩による絶対独裁』を拡散させ忠誠を誓わせることが目的」と報道した。

北朝鮮は6月、北朝鮮住民を抑圧する統治手段ともいえる「党の唯一思想体系確立の10大原則」を39年ぶりに修正した。修正後の原則では「金日成」という文句が「金日成・金正日」に変更され、「金日成の革命思想」が「金日成・金正日主義」に変更されるなど、金正恩の権力世襲を正当化することに重点が置かれている。