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北朝鮮側の一方的な通行遮断措置により開城工団中断事態が発生したが、南北間の綱引き交渉の末、5ヶ月ぶりに正常化された。北朝鮮は当初、韓国による最高尊厳冒涜などを今回の事態の原因と主張したが、実際は新たに発足した朴槿恵政権との神経戦の性格が強かったというのが衆論である。

ところで北朝鮮は当初の目的を達成できない状態で、何故朴槿恵政権の原則的な対北政策に多少押され気味の印象を残してまで急いで再開に同意したのだろうか。

政治・外交専門の国際シンクタンクである国際危機グループ(ICG)のダニエル・ピンクストン副局長(写真)は、デイリーNKとのインタビューを通し、北側が開城工団再稼動に積極的に応じた理由は、今回の事態により中国との経済協力に支障をきたすことを懸念したためと分析。▶英語版(全文)を読む

ピンクストン副局長は「北朝鮮当局は当初、開城工団閉鎖がもたらす影響を過小評価した」と述べたうえで、「一般的にそうであるように、中国や韓国の投資家も利害関係が絡んでくると慎重になる。開城工団閉鎖措置で多くの企業が北朝鮮との合作投資の決定に二の足を踏むようになり考え直した」と指摘。

さらに「恐らく北朝鮮政府はより多くの人材を中国に派遣すれば、中国からより多くの投資を誘致できると単純に考えたかもしれない。しかし現実は違った。実際、多くの中国企業は開城工団再開など(安定的な環境)を待っていた」と話した。

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また「最近、中国が外部人材プログラム(guest worker program. 北朝鮮労働者を雇用するプログラム)を拡張するかどうかを評価しているという。中国人は戦略的な目標を達成するためには機転が利き、実行可能なことは全て利用することで有名。北朝鮮に拘留されるとか、拉致される可能性、朝鮮半島内で紛争が拡大する可能性などは、中国との経済交流で実質的な影響を及ぼすことになる」と分析した。

今回の開城工団再稼動が今後の南北間経済交流に与える影響については、「複数の方法とプロセスが明確に解決されるならば、金剛山観光や開城観光、その他のプロジェクトを再開するためのモデルとして活用されると思われる」と展望する一方で、「いまだ凍結資産、安全性保障問題、財産権保護問題など多くの類似問題が解決されていないため、我々は開城工団がどのように進行するのかを一先ず見守る必要がある」と話した。

一方で「反対にこれら全てが再び極度に否定的な方向に進みうるということを忘れてはいけない。北朝鮮が従来の戦略、主張、理念など撤回していない気配がうかがわれる。北朝鮮は依然として軍事力と権力によって動いており、軍事力の非対称バランスを維持しようとするだろう」と指摘した。