北朝鮮当局が今月下旬に第9回党大会を開催すると発表する中、今月初めから平安北道、咸鏡北道、慈江道一帯で行われてきた国家密輸が全面的に中断されたことが分かった。これにより、輸入品の密搬入に支障が生じ、住民生活にも影響が及ぶとみられる。
国家密輸とは、国が主導しつつも通常の通関手続きを経ずに行う密輸入を意味する。
平安北道のデイリーNKの消息筋によると、先月31日、平安北道国境警備隊に対し、国境における物資移動を完全に遮断せよとの内容の「布置(指示)」が下達された。指示には、国境で物資移動が摘発された場合、当事者だけでなく、その区域の警備任務を担う国境警備隊も処罰の対象になるという内容が盛り込まれている。
機関単位で行われてきた国家密輸は、これまで国境警備隊との癒着を通じて実施されてきたが、今回の指示により、警備隊側も黙認できなくなり、密輸は事実上停止状態に陥った。
代表的な密輸地域である両江道恵山では、昨年末からすでに国家密輸が止まっていたが、平安北道や咸鏡北道、慈江道の一部国境地域では、最近まで国家密輸が続いていたとされる。しかし今回の指示を受け、義州(平安北道)、会寧・茂山(咸鏡北道)、中江(慈江道)などで比較的小規模に行われてきた国家密輸も、すべて中断されたという。
消息筋は「これまでは夜間の特定区間を通じて物資を運ぶ『隙間』があったが、今は裏で見逃してくれる国境警備隊も身を慎んでおり、密輸業者が荷物を受け取りに出ることすらできない状況だ。国境警備隊を買収できる資金があっても、密輸ができないということだ」と話した。
国家密輸の遮断により、自動車や車両部品、衣類・かばん・靴などの工業製品はもちろん、コメ・食用油・加工食品といった食料品の密搬入にも大きな支障が出ている。
現在、北朝鮮当局は税関を通じた公式貿易を認めているが、公式ルートで輸入される品目は、住民が必要とする消費財よりも、農業・工業・建設など産業向けの生産財が中心となっている。そのため、国家密輸の遮断は、住民生活に直接的な影響を与える可能性が高いとみられる。消息筋は「当面は問題がなくても、こうした状況が長引けば、買いだめや価格の急騰が起きかねない。今後、密輸なしで市場がどこまで持ちこたえられるかが焦点だ」と語った。
