K-POPや韓流ドラマの取り締まりが厳格化する北朝鮮で、法よりコネが命運を左右し、韓流が腐敗の温床となる―いわば「韓流腐敗」とも呼ぶべき現象が横行している現実が、国際人権団体アムネスティの最新リポートで浮き彫りになった。
アムネスティが2026年2月4日に公表した脱北者25人への詳細なインタビュー調査によると、韓流コンテンツを視聴した場合、本来は「反動思想文化排撃法」により5~15年の強制労働が科され、大量流布や組織的な集団視聴では死刑も規定されている。
しかし現実には、約1万ドルに及ぶ賄賂を支払える富裕層や、保安当局に強いコネを持つ家庭は摘発を免れたり、警告のみで済まされたりするケースが多い。一方、賄賂を用意できない貧困層は、労働教化刑や公開処刑といった苛酷な処罰に無防備にさらされているという。
2019年に脱北した男性は「同じ罪でも、処罰は完全に金次第だ」と証言し、教化所から出るために5,000~1万ドルを工面しようと、家や家財を売る例も珍しくないと語った。別の脱北者は、韓国ドラマ視聴で3度摘発されたものの、家族の人脈によって処罰を免れた一方、金のない同世代の若者が数年の刑を宣告されたと明かした。
取り締まりは「109常務」と呼ばれる組織によって全国的に行われ、令状なしの家宅捜索や、路上での携帯電話・所持品検査が常態化している。さらに学校では「思想教育」の名目で生徒を公開処刑の現場に動員し、恐怖を通じて服従を刷り込む手法が取られてきた。
国際アムネスティは、情報へのアクセスを犯罪化しながら、金とコネがあれば命さえ左右されるこの体制こそが、北朝鮮社会の不平等と恐怖支配を象徴していると指摘している。
