北朝鮮メディアが近年、「平均主義」の弊害を繰り返し取り上げている。社会主義経済の原則を掲げながらも、現場では「働いた分だけ報われる仕組み」を強調する内容が目立ち、大々的な経済改革が見えない中で、その真意が注目されている。

朝鮮労働党機関紙・労働新聞は1月28日、「平均主義をどのように克服したか」と題する記事で、咸鏡北道の鉱山を例に挙げた。記事によれば、同鉱山では従来、作業環境の違いを考慮せず一律に労働量を設定して評価していたため、生産意欲が低下していたという。岩質悪化など条件が変化しても評価に反映されず、不満が蓄積していたとされる。

これに対し、幹部らが労働条件や設備状況を具体的に反映した評価方式に改めたところ、生産実績が改善し、計画を上回る鉱石を生産したと報じた。新聞は「平均主義を許せば前進できない」とし、「誰もが働いた分だけ報酬を受け取れるようにすべきだ」と訴えた。

こうした論調は単発ではない。昨年11月の紙面でも労働新聞は、「平均主義的評価は勤労者の生産熱意を落とし、怠け者を生み出す温床だ」と指摘し、「より多く働き、より大きく貢献した人には相応に多くの取り分が回るべきだ」と明言していた。

さらに一昨年8月にも「平均主義は前進の障害」と題する記事を掲載し、軽工業工場の技術者を例に「成果を上げた者もそうでない者も一律に評価すれば、適当に働く風潮が支配する」と批判した。個人別の実績に応じた政治的・物質的評価を徹底した結果、技術革新への関心が高まったと強調している。

同様の流れは農業分野にも及ぶ。昨年秋の穀物分配を巡っても、「多く働いた者に多く分配すべきだ」と強調し、平均的な配分は労働意欲を損なうと批判した。昨年8月に採択された農場結算分配法も、生産意欲向上を目的とした制度改善とみられている。

表向きは「社会主義分配原則」の徹底を掲げるが、実際には市場経済的な成果主義やインセンティブ導入を示唆する内容である。慢性的な生産低迷の中で、現場の士気を引き上げるため、一定の裁量や差別的報酬を容認する方向に傾いている可能性がある。

ただ、北朝鮮では市場的手法が「反社会主義」として批判対象になり得るリスクも大きい。韓国政府当局も「計画経済の限界を自覚し一部市場原理を受け入れる兆候なのか、単なる増産のための応急措置なのか注視している」としている。

平均主義批判が繰り返される背景には、体制維持のための生産拡大の焦りが透ける。大規模改革に踏み込めない中で、北朝鮮がどこまで「成果に応じた分配」を制度化できるのか、今後の動向が焦点となりそうだ。